2020年05月25日

ヴィエンナ・スクール、伝統的音楽性(6)


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ウィーン・フィル第13代コンサートマスターのヴァルター・バリリが、ウィーンの伝統と独特の美音で上品に気高く歌い上げるモーツァルト珠玉のヴァイオリン・ソナタ。

ウィーン三羽烏の一人、バドゥーラ=スコダとの共演になる。

このディスクの音源はいずれも1954年のモノラル録音で、音質が心配だったが極めて良好なオリジナル・マスターの録音と保存状態で全く問題なく鑑賞できる。

通常の音量で聴くのであればヒス・ノイズも全く気にならない程度のもので、ヴァイオリン・ソロとピアノの音色には潤いがあり、音像も明瞭で奥行きさえ感じさせる。

今回のリマスタリングとUHQCD化は音源を最大限生かしたという意味でも価値のあるものだろう。

当時のウェストミンスターのエンジニア達の水準の高さもさることながら、アメリカに渡ってオリジナル・マスターテープを再発見した日本人グループの意気込みが伝わってくるような音質が聴きどころのひとつだ。

ちなみにバリリとバドゥーラ=スコダのコンビによるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集はこの他にもう2枚が同シリーズでリリースされている。

バリリと、バドゥーラ=スコダのデュオは、言うまでもなくこのレーベルならではの忘れ難いコンビ。

とりわけモーツァルトのソナタの淡々とした演奏は、今ではすっかりどこかに消えてしまった独特の時代色と室内楽の微妙な呼吸を、懐かしく偲ぶことができる貴重な記録である。

二人の物静かな語り口が、モーツァルトの切実な心の内を、何と痛切に伝えることか。

一方演奏の特徴は、バリリもバドゥーラ=スコダもウィーン生まれ、ウィーン育ちの演奏家なので、彼らに脈々と受け継がれた伝統的な音楽性や趣味と奏法を堪能できるところにある。

バリリのヴァイオリンの音質はやや線が細く、スケールの大きな表現ではないが、品の良い艶やかな音色と控えめな洒落っ気でモ−ツァルトの室内楽の愉悦を味わうことができる。

また若き日のバドゥーラ=スコダの軽快で気の利いたピアノ・パートが更にこのソナタ集に花を添えていて、他の2枚も是非聴いてみたくなる演奏だ。

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classicalmusic at 11:54コメント(0)モーツァルト  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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