2020年06月12日
コンドラシン、コンセルトヘボウによるショスタコーヴィチ第6番とニールセン第5番
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コンドラシン、コンセルトヘボウのライヴ・シリーズの7枚目になるのがショスタコーヴィチの交響曲第6番及びニールセンの交響曲第5番だ。
前者が1968年1月21日、後者が1980年11月20日のライヴ録音なので客席からの雑音が若干混入しているにしても、音質が鮮明なステレオ録音であることが幸いだ。
コンドラシンはオランダ亡命以降、本人が望まなかったにも拘らず、西側でも引く手あまたのかなりハードスケジュールでの演奏活動が開始された。
彼の最後のコンサートもコンセルトヘボウで行われたライヴだが、残念ながら1981年の急死によって、その後の企画は立ち消えになってしまった。
亡命後はリムスキー=コルサコフの『シェエラザード』の他にアルゲリッチなどと協演した協奏曲以外にはセッション録音には恵まれなかった。
それ故この8枚のライヴ集は全盛期のコンドラシンの西側での記録としても貴重な音源に違いない。
このディスクに収録されたショスタコーヴィチのライヴがあった1968年と言えば、コンドラシンが既にモスクワ・フィルとショスタコーヴィチ交響曲全集を完成すべく録音を進めていた時期の客演だ。
当然ながら彼が生涯で最も力を注ぎこんだレパートリーのひとつだ。
モスクワ・フィルとの演奏には遊びを許さない厳格な印象がある。
それに対してここでは第1楽章に聴かれる対位法の神秘的な表現や、終楽章でのコンセルトヘボウのアンサンブルの巧みさと落ち着いた音色の美しさを活かした、より柔軟な姿勢が特長だろう。
一方ニールセンでは忍び寄る戦争への漠然とした予感と、真夜中の大都会が放射状のサーチライトで照らし出されるような映像的な戦慄が感じられる。
またスネアドラムのアドリブ演奏で軍靴の響きをイメージさせる演奏もスペクタクルだが、コンドラシンの統率力はこうした新時代の交響曲の表現では俄然冴えている。
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