2020年06月05日

集大成されたヨッフムのフィリップス音源


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版権切れのマニアックな音源をバジェット価格でリリースしているオ−ストラリア・エロクエンスからの新譜で、オイゲン・ヨッフムがアムステルダム時代とその直後にコンセルトヘボウを振った、フィリップス、デッカ及びフォンタナ音源のCD15枚分の演奏集になる。

それらはドイツ・グラモフォンから没後30周年に刊行された都合2巻全80枚のボックス・セットには収録されていなかったものばかりで、モノラル、ステレオ録音混在だが、一通り鑑賞してみた感じではリマスタリング効果もあって音質はかなり良好だ。

ただし最後のメンゲルベルクの『マニフィカト』に関しては時代相応以下の音質に留まっている。

1902年に生まれ、87年に世を去ったドイツの名指揮者ヨッフムは、質実剛健で堅実な指揮をした典型的なドイツの巨匠で、作品に対する徹底した楽理的な分析に裏付けられた飾り気のない実直な再現を信条としていた。

ヨッフムは、父親は音楽家、兄は作曲家兼合唱指揮者、オルガニスト、弟も指揮者という、豊かな音楽的背景をもつ家庭で育った。

彼の父親は南ドイツの小さな街バーベンハウゼンの教育者であり、また教会でのミサや劇場運営に携わっていて、敬虔なカトリック信者だったヨッフム自身も教会オルガニストとして少年時代を送ったようだ。

このヨッフムのオルガニストとしてのプロフィールは、やはり最後の1枚にボ−ナス・マテリアルとして3曲のソロで堂々たる腕前を披露している。

しかし夜になると劇場では父の企画によるオペラやオペレッタが上演されたので、オーケストラル・ワークと声楽曲のみならず宗教と世俗というふたつの対照的なジャンルの音楽を同時に吸収していたことが、その後の彼の音楽観の形成にも色濃く影響していることは確実だ。

彼のスタイルはドイツ的とよく称されるが、それは、中央ヨーロッパの、落ち着いた色合いの響きから、奥行きの深い、しかし溶け合ったサウンドを引き出し、ここぞという所では勇壮な迫力を導いたことを表している。

一方でヨッフムはオーケストラのインストラクターとしての実力も高く評価されている。

何故なら彼はヨーロッパの幾つかの楽団、例えばバイエルン放送響、コンセルトヘボウ、バンベルクなどの窮状を救った功績が広く認められているからだ。

揺るぎない基礎から積み上げていく堅牢な音響は特にブルックナー、ブラームス、ベートーヴェン、ハイドンの交響曲に顕著で、細部までぶれのないまとめ方をするが、むやみにスケールを強調して作品を誇大に見せたり、聞こえよがしの演出的効果などは嫌っていた。

ジャケットは基本的にLP盤のオリジナル・デザインがプリントされているが、CDへのリカップリングによって収録曲目は若干ずれが生じている。

34ページのライナーノーツには、トラックリスト、スナップ写真の他に英文によるヨッフムのキャリアと録音に関するエピソードが詳述されている。

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classicalmusic at 17:40コメント(0)ヨッフム  

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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