2020年07月15日
アルバン・ベルク四重奏団の華麗なる軌跡
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最近のワーナーの箱モノでは気の利いたコレクション仕様のセットだ。
ユニヴァーサルであればブルーレイ・オーディオを付けるのが企画の常套手段になってきたが、ワーナーのバジェット・ボックスにはSACDなどの高音質盤が組み入れられる事がまず期待できない。
しかしこのアルバン・ベルクのコンプリート・レコーディング集では62枚のCDに8枚のDVDが加わって、まさに彼らのキャリアの軌跡が俯瞰できるようになっているのがセールス・ポイントだろう。
DVDの6枚はベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集の2回目の収録になる1989年ウィーン・コンツェルトハウスでのライヴで、これらの演奏はCD35-42にも加わっている。
もう1枚がシューベルトの『死と乙女』にちなんだブリューノ・モンサンジョンのドキュメンタリー・フィルムと実際の2つのバージョン、弦楽四重奏と歌曲版とが収録されている。
最後の1枚は1991年に行われたぺテルスブルクでのライヴになるが、彼らの後期のスタイルを知ることができる貴重な映像だ。
解散して久しいアルバン・ベルク四重奏団だが、彼らのデビュー当時は精緻なテクニックから生み出されるカミソリのような鋭利な解釈と豪快なダイナミズムが、現代のカルテットのスタイルとして旋風を巻き起こしたことを覚えている。
その上にリーダーで第1ヴァイオリン、ギュンター・ピヒラーのある意味でスタンドプレイ的なパフォーマンスが強烈な印象を与えたものだ。
なかでもベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集は過去のあらゆるアンサンブルの全曲集とは全く異なった斬新な解釈が新鮮だった。
それは勿論現在でも変わることのない評価であるに違いない。
このコンプリート・レコーディング集には多くの共演者、例えばクラリネットのザビーネ・マイヤー、ピアニストではレオンスカヤやブッフビンダー、アントルモンが招かれたアンサンブルも豊富に収録されている。
それらの大部分が名演の名に恥じないものだが、曲によってはいくらか居心地の悪いゲストになっていることも事実だろう。
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