2020年09月14日

スラヴのロマンティシズム、ボロディン四重奏団のロシア室内楽作品集


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ロシアが誇るボロディン四重奏団が1990年代にヴァージンとテルデックにレコーディングした中から、スラヴ系作曲家の作品を8枚のCDに纏めたワーナーからのバジェット・ボックスである。

彼らの最も得意とするスラヴ的抒情、神秘や機知などが遺憾なく発揮されている。

ショスタコーヴィチに関しては新録音の弦楽四重奏曲全曲とその他の室内楽を収めた7枚組がデッカ・レーベルからリリースされている。

そちらもお薦めしたいが、このセットにも7曲の弦楽四重奏曲、ピアノ五重奏曲、ピアノ三重奏曲第2番及び弦楽四重奏のためのふたつの小品が収録されている。

尚ピアニストはデッカ盤ではアレクセイ・ヴォロディンだがこちらはレオンスカヤが弾いている。

彼らの演奏の特徴はカンタービレの美しさ、羽目を外すことのない節度を持った表現力や現代作品で聴かせるエスプリなどだ。

とはいえイタリア四重奏団のような自由奔放な歌心ではなく、より古典的だが洗練された趣味にあると言える。

しかしショスタコーヴィチでは、初期のメンバーが作曲家と直接交流を持っていたこともあって、真似のできないオリジナリティーに富んだ解釈が聴きどころだろう。

その神秘的な静謐や時折表れるスラヴ民族舞踏のリズムの再現は水を得た魚のようだ。

CD7はロシアのミニチュアと題された1枚で、ボロディンの『中央アジアの草原にて』を始めとする比較的親しみ易い小品や抜粋が集められているロシア音楽入門編と言ったところだ。

また最後のシュニトケのアンサンブルの1枚も普段それほど聴く機会がない貴重なサンプルだ。

1945年にモスクワで結成され、1955年旧ソ連邦政府よりボロディンの名が与えられた、ボロディン弦楽四重奏団について紹介したい。

初代メンバーはロスティスラフ・ドゥビンスキー(ヴァイオリン)、ウラディーミル・ラベイ(ヴァイオリン)、ルドルフ・バルシャイ(ヴィオラ)、ヴァレンティン・ベルリンスキー(チェロ)で、メンバーは替わりつつも現在も活動が続けられている。

初代メンバーとして62年にわたってカルテットを支えたチェロのヴァレンティン・ベルリンスキーは2007年夏に引退し、ウラディーミル・バルシンにバトンを渡している。

モスクワ音楽院で訓練を受けた彼らは、ロシアの室内楽の解釈において独自の伝統を維持しつつ更なる変化しながら、まとまりのあるアイデンティティによりその哲学と美学は音楽文化全体を具現化している。

ショスタコーヴィチはボロディン弦楽四重奏団の初代メンバーと親交深く、作曲にあたっても様々な相談を受けたという。

彼の室内楽作品は、旧ヴァージン・クラシックスとテルデックに1990-1995年に録音されたこのボックスの中心として置かれている。

時代の変遷に従い必然的にメンバーは交代しているものの、その縁は連綿と受け継がれ、ショスタコーヴィチの演奏においていまだ他の追随を許すことなく、他のロシア作品も多くの比類ない名盤ともなっている。

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classicalmusic at 12:30コメント(0)ショスタコーヴィチ | チャイコフスキー 

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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