2020年10月28日

軽妙洒脱なフィガロ、フリッチャイのオペラ指揮者としての手腕


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



カラヤンに匹敵するほどの才能を持ちながら白血病で48歳の若さで逝った名指揮者フリッチャイ。

オペラにも造詣の深かったフリッチャイは、ヨーロッパの名だたるオペラ・ハウスで成功をおさめたが、ドイツ・グラモフォンのコンプリート・レコーディング集の第2巻に12曲の全曲録音が収録されている。

その中でモーツァルトは『後宮』『魔笛』『ドン・ジョヴァンニ』『イドメネオ』と『フィガロの結婚』で、それぞれが起承転結を良く心得た溌溂とした解釈が現在聴いても強い説得力があり、音楽も洗練されていてモーツァルトの美観を改めて体験できる。

筋肉質の引き締まった演奏で、これほど高貴でドラマティックでスリリングな『フィガロ』は聴いたことがない。

それでいてモーツァルト特有の洗練された優雅さと透明感にも不足していない。

ときにはテンポを揺らし、情感たっぷりに歌わせる。

オーケストラと歌手のバランスが自然で聴きやすいのは、歌手を自由に歌わせることで解放感が生まれているからだろう。

ちなみにカール・ベームは第4幕のマルチェッリーナとドン・バジリオの長いアリアを敢えて採用しているが、フリッチャイは芝居の流れの軽快さを維持するために、この2曲は上演習慣に従って割愛している。

1960年の初期ステレオ録音だが、シンプルな音像とクリアーな音質で聴き易い。

カラヤン、ベームがアナログ・ステレオ時代に好んで使ったベルリン、イエス・キリスト教会での収録だけにその芳醇な響きがじつに魅力的。

尚レチタティーヴォ・セッコのチェンバロは右側に置かれている。

タイトル・ロールのフィガロはキャストの中では唯一のイタリア人レナート・カペッキで、絶妙な語り口で根っからの劇場人として芸達者なところを披露している。

伯爵役はフリッチャイにその才能を見出されたフィッシャー=ディースカウで、ベーム盤でも高貴さと好色さを巧みに表現しているが、ここでは更に若々しさが漲っいる。

ケルビーノのヘルタ・テッパーは、この世間知らずの奔放な少年役にはやや謹厳的に聞こえる。

女声陣ではやはり伯爵夫人のシュターダーとスザンナのゼーフリートの方が適役と言えるだろう。

ベルリン放送交響楽団も融通性のある気の利いたサボートも好演。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 14:40コメント(0)モーツァルト | フリッチャイ 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ