2021年03月11日

亡命前のコンドラシン、モスクワ・フィルとのスクリャービンとハチャトゥリアン


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亡命前のキリル・コンドラシンが手兵モスクワ・フィルを振ったレコーディングの纏まった企画としては、ショスタコーヴィチの交響曲全曲集とマーラーの同選集だが、その他にも地元メロディアには良質のステレオ音源がいくつか遺されている。

その2曲がこのディスクに収録されたスクリャービン/ネムティン編の管弦楽、コーラス、オルガンとピアノのための『神秘』から第1部「宇宙」である。

ライナー・ノーツには作曲家によって構想された三部作の最初の部分をアレクサンドル・ネムティンが1936年に復元したと書かれていて、この1973年の彼らの演奏が初録音のようだ。

40分ほどの大曲で、難解なオーケストレーションの巧みな統率とスクリャービン特有のハーモニーから醸し出されるサウンドが鮮烈に再現される。

クライマックスでは確かにデュオニュソス的な陶酔と神秘を感じさせる演奏だが、コンドラシンの解釈は曲趣にのめりこむようなものとは明らかに一線を画した、スコアへの冷徹なまでの緻密な再現が聴きどころだろう。

尚ネムティンは第3部も纏めていて1996年にアシュケナージによってベルリンで演奏されたようだ。

ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲変ニ長調は1963年の少し古いセッションで、ヤコフ・フリエルのソロになる。

ハチャトゥリアンの協奏曲といえばオイストラフに献呈されたヴァイオリン協奏曲が、そのアイデアの独自性と明確な構成で作曲家としての圧倒的な力量を示している。

一方ピアノ協奏曲はその4年ほど前の1936年に作曲され、初演者レフ・オボーリンに献呈されている。

この作品もアルメニアの民族音楽の原初的力強さと、超絶技巧を使った熱狂的な終楽章がドラマティックだ。

例えば第2楽章で使われるフレクサトーンなど、ヴァイオリン協奏曲に比べてやや凝り過ぎた作法という印象がある。

ヴァイオリン協奏曲のほうがよりシンプルで音楽的な効果を高めている。

またフリエルのピアノは強靭なテクニックで聴かせているが、もう少し柔軟性と多様な変化があってもいいと思う。

両曲とも音源はメロディアだが、独BMGが1998年にリマスタリングしたEU盤で、ノイズレスの20Bitディジタル・オーディオ・プロセッシングと記載されている。

確かに音質は想像していたよりも鮮明で、低音から高音までが破綻なくクリアーに再生される。

特にスクリャービンではオーケストラの楽器の分離が良く保たれているのが特長だ。

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classicalmusic at 12:14コメント(0)コンドラシン  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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