2021年01月25日
リヒテル、ムーティの協演によるベートーヴェン
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既出のEMI盤のUHQCDバージョンで、音質が鮮明に再生されるがモーツァルトのピアノ協奏曲第22番は今回外されている。
その替わりにベートーヴェンのピアノ独奏曲、アンダンテ・ファヴォーリヘ長調がリカップリングされた。
おそらく音質の向上を考慮して収録時間を短縮したものと思われる。
この小品はピアノ・ソナタ『ヴァルトシュタイン』の中間楽章として構想されたものだったが、曲全体のバランスをとるために独立させたようだ。
リヒテルの歌心とリリシズムが秀でた逸品になっている。
1977年、ロンドン・アビーロード・スタジオでのセッション録音。
一方ピアノ協奏曲第3番はムーティの明快なオーケストラに支えられて。リヒテルがその円熟期の自在な表現力を発揮した演奏だ。
キレの良い弦楽とメリハリを利かせたウィンド、ブラス・セクションに乗って巨匠のピアニズムが、溢れんばかりの音楽性を披露している。
第2楽章は節度のあるカンタービレの中に表出される両者の抒情が美しい。
急速楽章でのそれぞれのカデンツァは作曲家自身の手になる。
オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団で、ムーティが首席指揮者に就任して間もない1977年のセッションだが、既にムーティ流に統制された流麗なカンタービレとダイナミックなサウンドを聴かせている。
リヒテルがムーティと初めて共演したのは1972年のザルツブルク音楽祭でのシューマンのピアノ協奏曲で、オーケストラはウィーン・フィルだった。
その時のライヴはオルフェオ・レーベルからリリースされているが、ムーティは前年にカラヤンの紹介で同音楽祭に30歳でデビューを飾ったばかりで、ほぼ同年代のイタリア人指揮者としてはアバドに続いて国際的な演奏活動を始めた直後の意気揚々としたフレッシュな感性を伝えている。
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