2021年05月10日

シューマン孤高の大作『ゲーテのファウストからの情景』とブリテンの指揮者としての実力


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シューマンはオペラこそ『ゲノフェーファ』一曲しか完成しなかったが、声楽と管弦楽が織りなす大規模な作品を三曲遺している。

それが『ゲーテのファウストからの情景』、『楽園とペリ』及び 『マンフレッド』だが、いずれも全曲演奏されることは稀な曲だ。

オペラのような視覚的な美しさや演技に頼る劇場用の音楽は、娯楽としての要素が多分にあるので、より高邁な舞台音楽を考えていたシューマンには馴染まないジャンルだったのかも知れない。

確かに『ファウストからの情景』も二時間ほどの大曲で、かなり哲学的な内容を持っているので、その点で苦痛に感じられる人も多いだろう。

しかし意外にも音楽は小難しいものではなく、リートでその驚異的な才能を示したシューマンだけにソロ、コーラスの扱いも巧みだ。

このディスクではベンジャミン・ブリテン指揮するイングリッシュ・チャンバーオーケストラが実力を発揮している。

ブリテンは抒情的な表現にとりわけ優れた腕前を見せているが、特に第三部の精神的な高揚はマリアヌス役のフィッシャー=ディースカウの歌う「ここは見晴らしの良い」での官能的とも言える、高度なテクニックと共に他の演奏では聴けない素晴らしさがある。

これは後のワーグナーの『タンホイザー』のヴォルフラムを髣髴とさせる、さながらオペラのアリアだ。

またグレートヒェンを歌うエリザベス・ハーウッドの良くコントロールされた輪郭のはっきりした声による歌唱も好ましいし、アリエル役のピーター・ピアースもフレッシュな表現で安定した役柄をこなしている。

録音は1972年で、音質は良好。

尚このCDは以前ドイツ・グラモフォンからリリースされた35枚組のシューマン・ザ・マスターワークスのボックスに加わっている。

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classicalmusic at 07:03コメント(0)シューマン | ブリテン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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