2021年07月05日
ドラティのモーツァルト&ハイドン:マーキュリー・リヴィング・プレゼンス録音全集
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4枚のCDのうちの今回初CD化が10曲あり、これまで聴けなかったドラティのレバートリーを楽しむことができるのは嬉しい。
但し初出時のLP盤と聴き比べると音質の鮮明さ、キレ味という点でいくらか分が悪い。
これは新規にリマスタリングしたエロクエンスの方に原因があるのかも知れない。
当時のマーキュリー・リヴィング・プレゼンスのクリアーな音質と臨場感が充分に生かされていないのは残念だ。
これはミネアポリス交響楽団との1953年のモノラル録音、モーツァルトの第40番にも言える。
オーケストラにやや乱れがあるものの、全体的な推進力はドラティらしく好演だが、分離状態が明瞭でない。
ドラティはハンガリー動乱でドイツに亡命したハンガリーの演奏者達とフィルハーモニア・フンガリカを創設して、世界初のハイドンの交響曲全集をレコーディングした。
このセットには第94番『驚愕』と第103番『太鼓連打』の2曲が収録されている。
このオーケストラ自体既に解散してしまったので貴重な記録でもある。
アンタル・ドラティは指揮者、作曲家、ピアニストでもあったがナチスに追われてハンガリーから英国、アメリカと活動拠点を変えた。
オーケストラ・ビルダーとしても優れた腕を持っていて、第1曲目のモーツァルトの交響曲第40番を聴けば、現ミネソタ管弦楽団の黎明期のサウンドをイメージすることができる。
その他にもダラス交響楽団、ナショナル交響楽団、デトロイト交響楽団などを第一級のオーケストラに練り上げた功績は大きい。
英国ではBBC、ロイヤル・フィルハーモニー、ロンドン交響楽団との共演が多かったが、このセットにはロンドン交響楽団とのハイドン、モーツァルトの作品を堪能できる。
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