2021年12月06日

レナータ・スコット会心のヴィオレッタ、ヴォットー&スカラ座の『椿姫』


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1963年の録音で、レナータ・スコットの歌唱表現が面目躍如の『ラ・トラヴィアータ』だ。

筆者は幸い彼女の舞台を実際に観ることができた。

またオペラ引退後もイタリアでのコンサートやリサイタルでも彼女の衰えない豊かな表現力を堪能することが歌手の1人である。

現在87歳であるが、コロラトゥーラ・ソプラノとしても稀有の存在だったと言えるだろう。

ヴェルディのオペラの中でも『リゴレット』と『ラ・トラヴィアータ』はコロラトゥーラのテクニックが要求される。

更にドラマとしての声楽的な表現が充実していないと技巧だけが前面に出て浅はかな印象に陥りがちだが、そのあたりのスコットの力量は流石だ。

また当時の瑞々しい声の魅力と超高音でも自由自在にコントロールする余裕は、このオペラの醍醐味だ。

同時代のクラウス、バスティアニーニと組んだ『リゴレット』、ディ・ステファノが加わる『ルチア』と共にお薦めしたい。

アルフレード役のジャンニ・ライモンディはイタリアの典型的なリリコ・スピントの歌手である。

往々にして激情的な表現になりがちだが、ここではヴォットーの巧みな指導で、ある程度抑制された、しかし澄み切った美声を披露している。

イタリアには犬とテノールがいると言われたが、当時のイタリアのテノールの層の厚さを感じさせる。

ジェルモン役はバスティアニーニだが、地方から出てきた、やや田舎者で老獪な性格と貫録は、まだ充分に出せていない。

ヴィオレッタとの長いデュエットと、その後の「プロヴァンスの海と陸」は美声の饗宴だが、役柄の上ではかつてのブルスカンティーニの方が上手い。

スカラ座管弦楽団を指揮するアントニオ・ヴォットーは、舞台作品には欠かせなかった指揮者の1人であった。

歌手達にはある程度の自由な声のためのスペースを与えながら、作品の本筋からは離れないように制御する腕は見事だ。

ふたつの前奏曲もシンプルで効果的だ。

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classicalmusic at 09:27コメント(0)ヴェルディ  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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