2021年11月10日

虚飾を排した精妙なサウンド、ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンのブルックナー:交響曲第7番


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ブロムシュテットと手兵シュターツカペレ・ドレスデンとの1980年代の共演で、彼らはこれまで第4番『ロマンティック』及び第7番のみを録音している。

このディスクの第7番は、おそらくブルックナーの交響曲全集へ発展させる予定でレコーディングを開始した第1弾で、1980年にドレスデンのルカ教会で収録されている。

広い空間に進展する音響が残響に至るまで精緻に採音されていて、ブルックナーの巨大なスケール感も良く捉えられている。

当時まだ爆撃で破壊されたドレスデンの都市復元が続いていた頃で、録音会場としては殆ど唯一の場所だったに違いない。

東側でもPCMディジタル録音が普及しつつあった時代の音源としては極めて良好で、虚飾のない精妙なサウンドが再生される。

ブロムシュテットがブルックナーの作曲時に描こうとした音楽的構想を、できるだけ忠実に再現しようとしたことはほぼ間違いないだろう。

作曲家自身の決定的なスコアが存在しない限り、最もシンプルに校訂された版を参考にすることは解釈の上での重要な解決策だが、ブロムシュテットがハース版を採用していることからも、そうした傾向は明らかだ。

しかし彼らの演奏から醸し出される音楽は決して地味なものではなく、光彩を放つような豊饒な音色の変化と生命力にあふれた推進力が堂々たる貫録を感じさせる。

気迫のこもった渾身の名演を聴かせ、オーケストラの洗練されたアンサンブルを御して、ブロムシュテットは彫りの深い、宗教的とも言える瞑想的な表現で迫る。

この指揮者は従来淡泊な表現に特色があったら、ここではまるで別人のような燃焼を示しているのである。

彼もハース版を用いながら、ノヴァーク版の打楽器を盛大にならしている。

だが単なる楽天主義というか、極楽トンボではなく、ドラマティックな効果を発揮しているのである。

これはブロムシュテットの数多い録音の中でも、特筆される名演奏と言えると思う。

彼らのコラボによる交響曲全集が頓挫した理由は知る由もないが、ブルックナー・ファンにとっては第4番と共にコレクションに加えたい1枚だ。

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classicalmusic at 11:37コメント(0)ブルックナー | ブロムシュテット 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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