2022年08月01日
👍ハンガリー出身の名チェリスト👉ヤーノシュ・シュタルケルの多彩さを示す対照的な三つの協奏曲👏
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
ハンガリー出身のチェリスト、ヤーノシュ・シュタルケルの多才ぶりを示す一枚で、3人の異なった作曲家によるチェロ協奏曲が収められている。
1962年と1964年の録音で、音質の優秀さで知られたマーキュリーのマスターから以前SACDとして再登場したものだ。
オーケストラはロンドン交響楽団で、最初の2曲はスタニスラフ・スクロヴァチェフスキの指揮で、サン・サーンスはアンタル・ドラティが担当している。
第1曲目のシューマンの協奏曲は演奏される機会こそ少ないが、彼のヴァイオリン協奏曲と並んで非常に充実した内容を持つシューマンらしい曲と言える。
この曲では終楽章を除いては抒情的なメロディーが支配的で、華やかなチェロの技巧を際立たせるようには書かれていない。
つまり全曲を通じてかなり高度な演奏技巧が要求される一方で、更にそれを上回る音楽性の裏づけが無くてはどうにもさまにならないという作曲法だ。
シュタルケルの演奏はこうした音楽作りの難解さを鮮やかに解決している好例だろう。
終楽章のカデンツァは、曲想に適った簡潔だが密度の濃い、シュタルケル自身の手になるものだ。
2曲目はラロのエキゾチックな作品で、特に第2楽章の甘美な旋律と駆け抜けるような軽快な民謡風のパッセージが実に巧みに再現されている。
最後のサン・サーンスはチェロの技巧を前面に出した、所謂ヴィルトゥオーゾの為の曲で、最初のシューマンとは好対照を成している。
シュタルケルの超絶技巧が面目躍如たる演奏だ。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。