2021年10月15日
バッハを弾く時、最も信頼できるウィーン原典版、インヴェンションとシンフォニア
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バッハの鍵盤音楽の入門曲と言えば、15曲ずつのインヴェンションとシンフォニアだが、既に異なる版の楽譜を持っている方にもお勧めしたいのが、ウィーン原典版の赤表紙だ。
バッハの自筆譜に忠実で、楽譜として最も信頼がおけるし、運指も妥当な表示でチェンバロ演奏にもそのまま応用できる。
最近はあまり見かけなくなったが、版によってはテンポの指示があったり、スラーがいたるところにつけられていたり、およそバッハの書いたものとは思えない楽譜が横行していた。
初めてこの曲集にトライするのであれば、この版以外には考えられない。
装飾音に関してはどの版もクラヴィーア・ビューヒラインのバッハ自身の奏法を掲載するようになったが、ピアノ教師の中にはいまだに古典派以降の装飾法を教えている先生も少なくない。
この楽譜の運指の表記に従って練習を進めていくのが理想的で、古楽の奏法にも馴染むことができる。
ただしシンフォニアの第3番、第7番、第14番などでは、バッハの書いた通りに弾くにはそれなりの工夫がいる。
勿論参考として巻末に解決策も掲載されているが、演奏者の手の大きさの個人差などで、自分で指使いを開拓しなければならない曲もある筈だ。
そうした経験は更に高度なテクニックを要する平均律や組曲などに必ず役立つ。
いずれにしてもバッハは最高の教材は最高の芸術作品でなければならないと言ったが、この楽譜からは単に基礎的な演奏技術だけでなく、対位法と楽曲の展開の基礎を学ぶことができる。
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