2021年10月17日

現代を代表するワーグナー指揮者バレンボイムの能力がフルに生かされた主要オペラ全集


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ワーグナー指揮者としてすっかり名声を確立した感のある巨匠ダニエル・バレンボイムだが、バイロイトで上演される主要10作品を収めた本全集は現代を代表するワーグナー指揮者バレンボイムの能力がフルに生かされた名演といえよう。

オペラやオーケストラ・コンサート、コンチェルト、室内楽、ピアノ・ソロや歌曲伴奏に至るまで、膨大できわめて多岐に渡る演奏経験と、豊富に蓄積されたノウハウの数々により、オペラでも素晴らしい手腕を発揮するバレンボイム。

バイロイトでの約20年の実績に加え、音楽監督を務めるベルリン州立歌劇場での約20年のさまざまな実務経験は、バレンボイムのオペラ運営能力を飛躍的に向上させており、現代にふさわしい高度な機能性を欠かすこと無く、十分な深みとロマンティシズムを備えた歌唱を実現することにも成功している。

10の作品は『マイスタージンガー』『ラインの黄金』『ワルキューレ』『ジークフリート』『神々の黄昏』の5作品がバイロイトでのライヴ録音、『さまよえるオランダ人』『タンホイザー』『ローエングリン』の3作品がベルリン州立歌劇場でのセッション録音、『トリスタンとイゾルデ』『パルジファル』の2作品がベルリン・フィルとのセッション録音となっている。

バレンボイム独自のグラマラスな音楽作りと、現代的な機能美の混在した演奏として、たいへん聴きごたえがある。

近年は歌手が小粒になり、ワーグナー特有のアクは希薄になった印象は否めない。

また、指揮者も独自の個性を主張するあまり、ワーグナー本来の姿を見失いがちな傾向が見られる。

そうしたなかで、ワーグナーを聴いた充実感を筆者にもっとも感じさせてくれたのが、バレンボイムだった。

1980年代から90年代にかけて、バイロイトで首席指揮者待遇を受けたのがバレンボイムである。

1981年にジャン=ピエール・ポネルの新演出《トリスタンとイゾルデ》でデビューしたバレンボイムは1988年のハリー・クプファーの《ニーベルングの指環》、93年のハイナー・ミュラーの《トリスタンとイゾルデ》、96年のヴォルフガング・ワーグナーの《ニュルンベルクのマイスタージンガー》など、のべ161公演を指揮して音楽面から音楽祭の屋台骨をささえた。

この公演数は音楽祭史上で抜きん出たものである。

《トリスタン》でみせる大きな音楽のうねり、《リング》の壮大なスケールなど、フルトヴェングラーの精神を引継ぎ、そこに現代の息吹をそそいだバレンボイムの面目躍如たるところ。

80年代には感情移入の激しさのあまり、音楽が空中分解する危険もあったが、90年頃から真の円熟の域に入り、ヴァルトラウト・マイヤー、ジョン・トムリンソンなど「バレンボイム・ファミリー」ともいうべき名歌手とともにワーグナーの高水準の上演を実現している。

92年にはベルリン州立歌劇場の音楽総監督に就任し、そこでクプファーとともにワーグナー主要10作品を順次舞台にかけた。

2002年の春には同一指揮者・演出家による10作品の連続上演という史上初の試みも成し遂げられた。

本シリーズはその間の1989年のベルリン・フィルとの『パルジファル』によって開始され、2001年にベルリン州立歌劇場で収録された『さまよえるオランダ人』で締めくくられており、しかもすべてがドイツにおけるデジタル・レコーディングという音の条件の良さもポイントである。

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classicalmusic at 08:51コメント(0)ワーグナー | バレンボイム 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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