2021年10月21日
ようやく纏められたベームのコンプリート・オーケストラル・ワーク集
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これまでにEMI系の録音集19枚がワーナーからリリースされ、ドイツ・グラモフォンからも70枚のオペラを中心とすコンプリート・ヴォーカル・ワーク集が纏められ、唯一残されていた協奏曲やアンサンブルを含むオーケストラル・ワークの集大成が今回成就した。
勿論ベームは旧フィリップスやデッカにも音源を遺していて、それは38枚+ブルーレイオーディオでユニヴァーサルから別途リリースされている。
ライヴは別としても、これによって彼の仕事の最も重要な部分がカバーされ、彼の芸術が網羅的に俯瞰されることになる。
このセットは67枚のCDに以前単独で出ていたベルリン・フィルとのモーツァルト交響曲全集のブルーレイオーディオを再度加えたボックスで、仕様はラファエル・クーベリック全集に準ずる大きさになっている。
ジャケットはオリジナル・デザインを使用。
曲目に関しては初出音源はなく、ライナーノーツにも新規リマスターの表示はないので従来のマスターを使った収録と思われるが、音質は良好だ。
カール・ベームは14歳ほど年下のカラヤンに比較してレコーディング量がかなり少ない。
1997年に刊行された最初のベートーヴェン・エディションにも交響曲全曲はカラヤン、ベルリン・フィルの録音が採用された。
当時帝王と呼ばれたカラヤンのディスクは超売れ筋だったので、致し方なかったのかも知れないが、指揮に何のはったりもなく、音楽にこれ見よがしのアピールもないベームからは、愚直なまでにひたすら作品に真摯に向かい、常に音楽の原点に立ち返る潔い姿勢が感じられる。
それが言ってみれば彼の個性であり、彼の音楽が長く愛される理由だろう。
尚最後の3枚はボーナス・ディスクで、CD65がベルリン・フィルとのシューベルトの交響曲『ザ・グレート』のリハーサル風景、CD66は彼が語るモーツァルトの音楽について及びウィーン・フィルとのリレーションシップ、そしてCD67はベーム自身の音楽的な人生観とキャリアを語っている。
ライナーノーツの巻末にはアルファベット順による作曲家別のCD索引が掲載されている。
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