2021年11月05日
名演を集めた選曲のコンセプトはほぼ納得、サン=サーンス没後100周年を記念するエディション
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サン=サーンス没後100周年を記念するエディションで、彼の代表的な作品を34枚のCDに纏めたボックス。
カバーデザインはルノワールの『ポン・ヌフ』でサン=サーンスの活躍したパリの良き時代をイメージさせる。
演奏内容はどちらかと言うと歴史的録音が多く、一部のごくポピュラーな作品、例えば『動物の謝肉祭』などを除くと、ワーナーのごく最近の音源はそれほど豊富ではないようだ。
またユニヴァーサルではバジェット・ボックスにはつきもののブルーレイオーディオ盤やDVDなども付いていない。
この点はワーナーもSACDをボーナスに付けるなどの工夫が欲しい。
選曲のコンセプトはほぼ納得のいくものになっている。
例えば4曲の交響曲はいずれもジャン・マルティノン指揮、フランス国立放送管弦楽団による1970年代初期の録音。
なかでも第3番ハ短調『オルガン』はマリー=クレール・アランのオルガンが加わる名演のひとつだ。
当時のバランス・エンジニアはEMIの録音を象徴するポール・ヴァヴァシュールが担当している。
また5曲のビアの協奏曲はアンドレ・プレヴィン指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のサポートでジャン=フィリップ・コラールがソロを弾いている。
同様に3曲のヴァイオリン協奏曲は総てピエール・デルヴォー指揮、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団でウルフ・ヘルシャーのソロになる。
CD27以降はレコーディング黎明期の録音で、サン=サーンス自身がピアノを弾く自作自演集やジャック・ティボーのヴァイオリン、アルフレッド・コルトーのピアノなどが聴ける。
但し音質は良くないのであくまでも演奏史の貴重な資料としてのコレクションになる。
尚CD15のピアノ五重奏曲トラック8の部分に、リマスタリングの際に起きたと思われるエラーを聞き取ることができる。
これについてはワーナーが修正盤を出してくれることを期待したい。
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