2022年05月24日
オランダ放送協会制作によるコンドラシン、コンセルトヘボウ・ライヴよりスラヴ作品2曲
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オランダ放送協会制作によるコンドラシン、コンセルトヘボウのライヴ集は、地元フィリップスから8枚のCDにリカップリングされた。
このディスクには1973年2月8日のストラヴィンスキー『ペトルーシュカ』と1980年6月6日のボロディンの交響曲第2番が収録されている。
いずれもコンドラシンの得意とするスラヴ物でも、なかでも『ペトルーシュカ』はコンセルトヘボウのアンサンブルの力量が示された素晴らしいライヴだ。
当時のライヴ音源には客席からの拍手喝采や咳払いなどのノイズも混入していて、この音源も例外ではないが、コンセルトヘボウの豊かなホールの音響と会場の雰囲気は充分捉えられている。
オーケストラも比較的分離状態の良い鮮明なステレオ録音なので、ストラヴィンスキーの精緻なオーケストレーションをまさにライヴ感覚で体験できる。
この時期は既にハイティンクが首席指揮者だったが、彼とは全く異なったレパートリーをコンセルトヘボウに持ち込んで、彼らの視野を広げたのがコンドラシンだったと言えるだろう。
彼に影響を受けた楽団員との最も優れたコラボは『シェエラザード』に象徴されているが、セッションによるフィリップスへのレコーディングがこの一曲に終わってしまったのは惜しまれる。
ボロディンの交響曲第2番ロ短調もやはりコンドラシン十八番のスラヴ物で、ロシア国民楽派の情熱を鼓舞するような劇的なテーマを生き生きと開始している。
一方で第3楽章アンダンテでの『中央アジアの草原にて』をイメージさせるホルン・ソロが導入するスケールの大きい、いかにも大陸的な抒情が美しい。
終楽章では熱狂的な民族舞踏が手際良く颯爽と再現され、スラヴ人指揮者の面目躍如たるものがある。
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