2022年10月25日
👨🦲リヒテル・アメリカ・デビュー音源のひとつ🎙️ラインスドルフ&シカゴ響とのブラームス:ピアノ協奏曲第2番/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ『熱情』
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リヒテル・アメリカ・デビュー音源のひとつとしてLP時代から評価の高いものであった。
過去にはラインスドルフ、シカゴ響とリヒテルの爆演のように言われたこともあったと記憶している。
しかし今良く鑑賞し直してみるとシカゴ響はラインスドルフによって非常によくコントロールされている。
力強いが野放図な音を出しているわけではなく、リヒテルも決して力任せに対決する姿勢ではない。
そこにはスケールの大きい音楽的な構想を持ったピアニズムが展開されていて、両者の張りつめた緊張感の中に溢れるほどのリリシズムを湛えた演奏が感動的だ。
またリヒテル壮年期の水も漏らさぬテクニックの冴えもさることながら、第3楽章を頂点として随所にあらわれる抒情の美しさも彼らしい。
カップリングされたベートーヴェンのピアノ・ソナタ『熱情』は同年にニューヨークのカーネギー・ホールで録音されたもので、当初はもう一曲の『葬送』と共にリリースされた。
ここでのリヒテルの凄まじい集中力と緊張感の持続が恐ろしいほど伝わってくる。
彼自身この『熱情』の演奏を嫌って、自分の失敗作のように言っていた。
音楽的な造形からも、まその表現力の幅広さと強烈なダイナミズムからもベートーヴェンに相応しい曲作りなのにである。
本人ならともかく、あら捜しをするような次元の演奏ではないだろう。
当時のリヴィング・ステレオの良質なマスターをCD化したもので、音質は鮮明でシカゴ・オーケストラ・ホールの音響空間も良く感知される。
ピアノも潤いのある艶やかな音色が捉えられていてオーケストラとのバランスも理想的だ。
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