2022年08月01日
👍圧倒的な重量感と華麗な表現の両立😱リヒテルのリスト:ピアノ協奏曲集(コンドラシン)/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第10・19・20番
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リストのピアノ協奏曲は現在3曲が知られているが、短い第3番を除いた2曲がリヒテル、コンドラシンの演奏で遺されていることは幸いだ。
1961年のセッション録音で、彼らはいずれも壮年期の脂の乗り切った理想的な時期でもあり、演奏にもその充実度が反映されている。
リストの協奏曲は、ともすればピアニストのテクニックの見せ場のための演奏に陥り、音楽的な深みを出すことが難しい。
しかしリヒテルは単にピアニスティックな聴かせどころだけに留まらず、芯のある骨太な音楽構成を保っている。
そこにリストの奇々怪々ともいえるロマンティシズムが表出されていて、他のピアニストに比較して、際立った重量感のある演奏だ。
それはまたコンドラシンの絶妙なサポートにも負っているが、ロンドン交響楽団の良く統率されたサウンドも時には不気味でもあり、また時には小気味良く、両曲とも後半に置かれたマーチではドラマティックなクライマックスを築き上げている。
ピアノ協奏曲第2番イ長調は、第1番に比べて採り上げられる機会が少ない。
それは曲の構成がラプソディー風で、一見つかみどころがないような印象があるからだと思うが、彼らの表現力の豊かさはこの作品の価値を充分に示している。
ソロとオーケストラの間の弛緩のないやり取りと、第5部から第6部への盛り上げは彼等ならではの迫力を持っている。
このディスクにはベートーヴェンの3曲のピアノ・ソナタ第10番、第19番及び第20番がカップリングされている。
これらのソナタも実際のコンサートで採り上げられることが少ないが、リヒテルの手にかかると、平易な可愛らしさだけでなく味わい深い曲想が展開される。
彼はベートーヴェンのソナタ全曲を録音しなかった、というより録音するつもりもなかったようだが、こうした表現を聴くと全曲集を完成しなかったことが惜しまれる。
1963年のレコーディングで音質は極めて良好。
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