2022年01月14日

雑味の払拭された音質改善、リヒター2度目の『クリスマス・オラトリオ』ステレオ録音盤


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このディスクのレコーディングは1965年のステレオ録音だが、彼は異なったソリストと共にその10年前にも『クリスマス・オラトリオ』のモノラル録音を遺している。

しかしこの作品の喜びに満ちた華やかな性格は、勿論こちらの新録音が断然優っているし、またソリストもグレードアップされているのが特徴だろう。

音質的にもSHM-CD化によって、雑味の払拭された明瞭なサウンドが特徴だ。

ただしその後にリリースされたリヒターのバッハ宗教音楽選集でブルーレイ・オーディオ化がされたので、現在最も優れた音質で鑑賞したい方にはそちらをお薦めしたい。

細部にいたるまで妥協を許さないリヒターの緻密な設計と、強力な統率力が全曲を支配している。

バッハを真正面からとらえた演奏で、厳しいまでの表情は他の演奏にはみられない威容を示す。

4人の独唱者、オーケストラ、合唱団の集中力の高い、真摯な演奏も申し分なく、その重厚な響きと清澄な音色は一度聴いた者の耳を離そうとしない。

現代楽器を用いた演奏だが、時代や様式を超えたバッハ像がある。

この演奏に抜擢された歌手陣は、現代でも得難いほどのメンバーが揃っている。

清楚で宗教曲にも精緻な歌唱を披露したソプラノのヤノヴィッツとメゾのルートヴィヒ、癖がなく真摯で若々しテノール、ヴンダーリヒと説得力のあるバスのクラスがそれぞれ宗教曲としての抑制を加えながら全体のバランスを絶妙にとって歌っている。

そこにはリヒターの哲学が感知される。

彼の解釈に迷いはなく、非常にすっきりした簡潔な構築力を見せているし、またその中に彼の強い情熱が迸るように感じられる。

当時まだ古楽としての奏法も楽器も確立されていなかったので、例えばフルートは木製のいわゆるトラヴェルソではなく、ベーム式のフルートで、トランペットはバロック時代には存在しなかったピッコロ・トランペットを使用している。

言ってみれば折衷様式による再現だが、そうした制限を乗り越えてリヒターの演奏は燦然と輝いている。

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classicalmusic at 09:20コメント(0)バッハ | リヒター 

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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