2022年01月29日
メシアン最高傑作にして唯一の長大なオペラ『アッシジの聖フランチェスコ』の全曲版、カンブルラン&読響盤が遂にSACDシングルレイヤー化され再登場!
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シルヴァン・カンブルランと読売日本交響楽団が2017年に行った、メシアンの長大なオペラ『アッシジの聖フランチェスコ』の全曲版国内初演ライヴが嬉しくもSACDシングルレイヤー化された。
読響創立55周年記念として行われ、「音楽の友」誌の企画〈コンサート・ベストテン2017〉第1位に輝いた伝説的公演である。
さらにこの年、読響は〈第49回(2017年度)サントリー音楽賞〉、〈第30回ミュージック・ペンクラブ音楽賞〉も受賞しており、この『アッシジ』公演が大きな要因となったことは間違いない。
さらに2018年度レコードアカデミー賞「特別部門 / 歴史的録音」を受賞した。
2010年4月から3期9年に及び読響の常任指揮者を務め、2018年度で最後の年を迎えたカンブルランが日本演奏史に刻んだ大いなる偉業をぜひお聴きいただきたい。
メシアン畢生の大オペラ『アッシジの聖フランチェスコ』は9人のソロ歌手、40近い打楽器、10パートからなる合唱など破格の規模の編成で、演奏時間も4時間を優に超える作品。
休憩をはさんだ当日の公演時間は5時間半に及んだ。
オンド・マルトノが3台必要というのもメシアンらしく、まさに規格外の内容であり、まさにこの作曲家の最大傑作である。
国内ではこれまで抜粋版が演奏されるにとどまり、遂にその全貌が楽しめるとあって演奏会は大変な話題となったところだ。
カンブルランはメシアンの管弦楽作品の体系的な録音を残しているメシアン音楽のスペシャリストである。
彼は読響とも『トゥーランガリラ交響曲』や『彼方の閃光』を取り上げ名演を聴かせてきた実績がある。
この『アッシジの聖フランチェスコ』も作曲家と作品への深い理解に裏打ちされた稀代の名演だ。
演奏会形式での上演であるが、それゆえに音楽を語ることに集中した演奏が繰り広げられており、時に瞑想的なまでの作品の真価がひしと伝わってくる。
まばゆく響き渡る鳥たちの歌を描いた第6景の複雑かつ壮麗な場面も鮮烈。
ALTUSレーベルの録音はカンブルラン本人も信頼を置く優れたもので、メシアンならではの輝かしい音響を見事に捉えている。
解説書には楽曲解説・歌詞対訳はもちろんのことカンブルランのインタビューなども収録しており充実の内容を誇る。
ネット配信、海外盤を含めてもなかなか音源が手に入らない『アッシジの聖フランチェスコ』における大変貴重な全曲盤である。
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コメント一覧
1. Posted by le chat noir 2022年07月03日 05:52

行こうかな、と随分悩み、結局行きませんでした。
わたしにメシアンを理解できるか、自信が無かったためです。
あれからもう5年になるんですね。
SACD, できたんですね。
読響から今でもコンサートのお知らせが届きます。
行こうと思うけど、行く気がしません。
日本屈指のオーケストラだと思うのに。。。

2. Posted by 和田 2022年07月03日 07:15
le chat noirさん、おはようございます。このオペラ長いですよ(CD4枚)私も二期会のリハーサルに呼ばれて行っていた時期もありましたが、今でこそ字幕付きですが、舞台が見えずらいのと座り心地、疲労、コスパなど勘案して、果たしてわざわざ行く必要があるのか?などと、せこいことを考えてしまいます。コロナ禍になって尚更です。メシアンはトゥーランガリラ交響曲が肝です。これがわかってしまうと他もイケます。試されてみてください。