2022年03月06日
常に世界のベストセラーを保ち続けている聖書に忠実な映像化を試みたミニ・シリーズ
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常に世界のベストセラーを保ち続けている聖書全篇の映像化となると、新旧合わせて69書に及ぶ大作であるために時間的な制約もある。
また難解な部分も少なからずあるので総てのシーンをつぶさに再現することは不可能だ。
またそれほど意味があるとも思えないが、視覚的にドラマティックな部分のみが突出すると、安っぽい見世物に成り下がってしまい本来の教書としての宗教観との関連性が稀薄になってしまう。
そのあたりの文学性と劇的な場面とのバランスを比較的巧妙に保ったのが本作品である。
瑣末的と思われる枝葉の部分は一切省き、聖書の本質に関わるエピソードを10話に分けてそれぞれを45分程度に纏めたコンパクトなミニ・シリーズに仕上げているのも秀逸だ。
4枚のブルーレイ・ディスクの視覚的特徴は、この作品に頻繁に映し出される大自然の風景が非常に鮮明に再生されることで、肌理の細かい画像による臨場感が効果的である。
一方で映像化するからにはある程度万人向けに制作しなければならないことが必須になる。
その点でもロマンティックなシーンは最小限に留めて見かけ上の派手な演出を控えている。
キャスティングでも実力派の役者を多く抜擢して地味だが聖書そのものの精神を伝えることを心掛けている。
その意味では一昔前のハリウッド映画とは一線を画している。
この作品を観ていると、信者でなくても聖書に書かれている万物の創造主である神が如何に恐るべき存在であるかが理解できるだろう。
そして神への畏怖が形骸化する度に人々は途方もない災難を自ら招くことになる。
しかしキリストの登場と共にその畏怖が愛に取って代わることを鮮やかに示しているのである。
シリーズの長さから言っても簡潔で要点を掴んでいるので信者以外の人が聖書を理解するための、良い意味での安直な入門編としても佳作だろう。
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