2022年04月30日

ハイドンの劇付随音楽とチマローザの『宮廷楽士長』、アントニーニ&イル・ジャルディーノ・アルモニコのハイドン交響曲全集第4集


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



ハイドン交響曲全集第4集は『迂闊者』というタイトルで、第60番ハ長調は当初フランスの喜劇作家が書いた『迂闊者』の劇付随音楽として作曲されたもので、その6曲を交響曲に纏めたものだ。

そのために交響曲の楽章構成からは逸脱しているが、喜劇らしいエスプリがいたるところにちりばめられている。

特に終楽章プレスティッシモではヴァイオリンがポルタメントをかけながら、調律をし直す場面が書かれている。

これは『迂闊者』の失敗を想起させる音楽的な遊びだが、カップリングされたチマローザの『宮廷楽士長』はオーケストラの奏者達が、うっかりしてミスして早く出てしまったり、混乱する演奏を楽士長がなだめすかしながらまとめていくという幕間劇として面白おかしく書かれている。

この作品はより大規模なオペラ・セリアの上演中の舞台の転換時に、観客の気分転換としての役割を果たしたものだ。

しかし既にこの時代には、古典的なオーケストレーションが完成しつつあったことが理解できる。

楽士長がそれぞれ指示していく楽器の組み合わせを聴いていると弦楽と2管編成による管楽器群の対比や音色のバランスも良く考えられた小さな傑作である。

シンプルだが管弦楽というジャンルの基本配置とサウンドを体験させてくれる。

チマローザはイタリアのモーツァルトとも言われたオペラ作曲家だが、こうした小品にもその巧妙な手腕を示している。

交響曲第70番ニ長調の第2楽章ではバッハ以降、宗教曲以外にはそれほど重要視されていなかった対位法を駆使した二重カノンが使われている。

こうした作法はモーツァルトやベートーヴェンにも取り入れられることになる。

また第12番ホ長調はメヌエットを欠いた3楽章形式で書かれていて、後に特にウィーンではメヌエットのない交響曲では通用しないほどのエレメントになっていくことも興味深い。

勿論それはベートーヴェンによって破棄されることになるのだが。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 13:38コメント(0)ハイドン  

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ