2022年03月17日

宗教臭さは皆無で一般教養としてもかなり高度な内容のラジオ講座、伝説的なイメージを払拭するイエスの姿とその福音(1)


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NHKラジオ講座『宗教の時間』で2018年放送された旧約聖書の世界に引き続いて、2019年は新約が取り上げられた。

本書は同様に纏められた2巻のうち4月から9月分放送用のテキスト上巻になる。

口絵としてカラー写真及び簡単な図解、また本文の同ページ下欄に注釈が設けられているので、音声を通して聴く時の参考になるが、勿論テキストを読むだけでも講座の内容は充分理解できるだろう。

講師でもある著者の廣石氏は、自身プロテスタントの宗教者でありながら、教義化された現在のキリスト教やイエス像を信仰という名の下に鵜呑みにするのではない。

彼の出生から福音書の成り立ちを広範な歴史的資料に基いて検証し、その真実の姿を探り出すことを試みている。

だから彼の文章にはいわゆる宗教臭さは皆無で一般教養としてもかなり高度な内容を持っている。

それだけに聖書に書かれた創造主の技や奇跡を文字通り信じて疑わない熱心な信者にとってはむしろやっかいな、あるいは受け入れ難い考察もあるかも知れない。

先ずキリストの実在性についてだが、これはキリスト教側だけでなくローマ側の証言、つまり元老院議員であったタキトゥスの『年代記』にクリストゥスがティベリウス皇帝治世下にユダヤ長官ピラトゥスによって処刑されたという記述があることで、その蓋然性を主張している。

一方でイエスに関するキリスト教側の記録は処刑から少なくとも20年経過してから書かれたもので、最も古いマルコ福音書と語録資料Q文書からマタイ、ルカの両福音書が成立したとしている。

その中で洗礼者ヨハネによって洗礼を受けたイエスの姿も動かし難い事実として浮かび上がってくるが、後の布教者はヨハネをイエスの上に置かないための矯正作業も行っているのが興味深い。

イエス自身は何一つ書いたものを残さなかった。

福音は総て彼から口述され、それを聞いた人が解釈を施しながら4つの福音書として成り立つ。

それは丁度ソクラテスの言行をプラトンを始めとする弟子達が書き記したことに類似している。

そのあたりにも彼のカリスマ性が感じられるのも当然だろう。

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classicalmusic at 11:13コメント(0)書物  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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