2022年03月17日

信者でなくても抵抗なくユダヤ教やキリスト教の哲学に触れることができるラジオ講座テキスト、キリスト教の死生観と復活思想


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始めの部分では聖書の『たとえ』話法について詳述されているが、中でも『ぶどう園の悪しき農夫たち』の解説は秀逸だ。

また最後の晩餐に象徴されるユダヤ人の晩餐の意味合いと形態についての説明から、意外にも私達がイメージする夕食とはかなり異なっていたことが理解できる。

古い慣習では、彼らはあらゆる契約を結ぶ時に自分自身の体の一部を傷つけて血を滲ませることで、その契約履行をお互いに確認し合った。

契約の際に流される血が最後の晩餐でイエスが弟子達に注ぐ赤ワインであることも頷ける。

ちなみに本書では扱っていないが、ユダヤ教においての神との契約が割礼という形で信者に遵守されているのは象徴的だ。

また彼らにとって一緒に食事をすることが、契約成立に伴う締めくくりの儀式だとすれば、最後の晩餐は自ずと重要な意味を持ってくる筈だ。

136ページに示されているようにユダヤ教外典には殉教者が死後復活することや、『ソロモンの知恵』のようにプラトンに由来する魂の不死性について言及した部分もあるようだ。

こうした思想はキリスト教では後に失われる輪廻の考え方にも相通じるものがあって興味深い。

しかし一方でこれを否定したコヘレト書も紹介されている。

つまり創世記に綴られているように、神は地上の塵芥から人を創造されたので、総ては塵芥に帰するというサドカイ派に支持された思想だが、イエスは最後の審判という終末思想と、その後の義人の復活を唱えている。

そこには明らかに天上と冥府のふたつの世界が識別されている。

このラジオ講座は抹香臭くないのが特長で、福音書も冷静に読み解かれているので信者でなくても抵抗なくユダヤ教やキリスト教の哲学に触れることができる。

註は同ページの下欄に設けられているが、また要所要所に簡潔に整理された図表が理解を助けてくれる。

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classicalmusic at 15:27コメント(0)書物  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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