2022年03月18日

ジョヴァンニ・アントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコによるハイドン疾風怒濤の時代から交響曲の形成期に至る


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ジョヴァンニ・アントニーニとイル・ジャルディーノ・アルモニコによるハイドンの交響曲全集には、このディスクにも示されているように古典的な交響曲の形成に至る時代の作品も多くカップリングされている。

バッハの息子たちの短い期間はいわゆる疾風怒濤の時代で、ここに収録されたフリーデマン・バッハのシンフォニア『不協和音』も良いサンプルだろう。

疾風怒涛の音楽の特徴は目まぐるしい転調、思いがけない展開や不協和音などがあげられるが、この『不協和音』の編成は弦楽器と通奏低音のみであることも、まだ交響曲の黎明期だったと理解できる。

バッハの次男カール・フィリップ・エマヌエル・バッハにもそうした傾向がみられるが、末っ子ヨハン・クリスティアンの作品には既にこうした不安定な曲想は消え去って、モーツァルトの出現を予感させるシンプルな安定感が感じられる。

1曲目の交響曲第46番ロ長調の終楽章は弦楽四重奏を髣髴とさせる軽快なパッセージが印象的で、ハイドンはそのジャンルでも重要な仕事を完成させている。

彼の交響曲と弦楽四重奏曲とは相関関係にあると言えるだろう。

また第22番変ホ長調『哲学者』にはイングリッシュホルンが使われている。

こうした試みにもハイドンの試行錯誤と音響的な実験があるようだ。

全曲に亘って激しいアクセントがつけられ、これまでになく鋭い強弱がつけられている。

テンポも速く強い推進力で音楽が生き生きと躍動しているのが感じられる。

明るく晴れやかな第1楽章は当然だが、各曲の第2楽章でも響きが研ぎ澄まされ、線的なメロディが強調されている。

空間の中にポツンと音が存在しているイメージで、密やかな孤独感があった。

そうしたやり方なので第2楽章や第3楽章では深刻な印象が強い。

第4楽章では密やかながら緊張感の高い弱音で始まり、存在感抜群だ。

強いコントラストとメリハリの効いた演奏はすべてがハッキリして気持ちいい。

繰り返しを忠実に実行していて、随所にいろんな仕掛けが見つけられて、アントニーニの遊び心も感じられる演奏である。

1曲だけ入っているフリーデマン・バッハの演奏だけ趣が違っている。

悲劇性が高く深刻な雰囲気が迫ってくる音楽は、陽気なハイドンからは感じられない印象だ。

どちらかと言えばモーツァルトに繋がっていく気がするが、この悲劇性が突き詰められて盛り上がっていくところまでは到達しておらず、それは時代がもっと進まないと得られない感覚なのだろう。

各楽章とも深刻なフレーズと穏やかなフレーズが交互に現れ、感情がの移ろいが感じられる。

終楽章がメヌエットになっていて、穏やかな雰囲気の中で終わる。

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classicalmusic at 14:17コメント(0)ハイドン | バッハ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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