2022年03月22日

メシアン畢生の力作、巨大編成で描かれるキリストの変容!チョン・ミュンフン指揮フランス国立放送フィルによる傑作アルバム


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演奏時間約100分(2部14曲)、五管編成の巨大オーケストラ、100人の合唱団、7人のソリストに打楽器部隊を要するという超大作を優秀録音で聴けるようになった。

《われらの主イエス・キリストの変容》は、グルベンキアン財団の委嘱によって書かれたもので、1965年から1969年までの4年をかけたたいへんな力作。

世界初演は1969年6月7日、リスボンの第13回グルベンキアン・フェスティヴァルで、セルジュ・ボド指揮パリ管弦楽団、グルベンキアン合唱団、イヴォンヌ・ロリオ、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチほかの演奏でおこなわれ大成功と高評を獲得。

日本では、1978年にロリン・マゼールが作曲者と共に来日して初演、テレビでも放送されて大きな話題となっていた。

なお、テキスト(ラテン語)には、聖書、ミサ典礼文、《神学大全》からキリストの変容が描かれた部分を用いている。

そうした「変容」を扱った題材から、この作品はメシアンの《キリストの生涯》三部作の最後を飾るものとされ、1935年に書かれたオルガン作品《主の降誕》を第1部、1939年に書かれたオルガン作品《栄光の御体》を第2部とし、約30年後に書かれたこの《キリストの変容》が第3部と捉えられている。

作風はメシアン最大規模の作品にふさわしい凝りに凝った見事なもので、メシアンが愛した「鳥の声」の概念が多面的に取り込まれるほか、ギリシャやインドといった異国趣味、複雑極まりないリズム、対位法、過激なまでの大音響、美しいチェロのソロや、合唱による崇高なコラールなど、数多くの要素がモザイク的にせめぎあって、圧倒的な感銘を与えてくれる。

なお、フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団は、総勢140人の大所帯ということもあって、エキストラなしでメシアンが求めた演奏編成をもクリアできるのが有利なところ。

このレコーディングは2001年9月のコンサートとほぼ同時期におこなわれたもので、フランス放送のホール“サル・オリヴィエ・メシアン”でデジタル収録されている。

重要な役割を果たすピアノは、イヴォンヌ・ロリオの弟子で、現在ではメシアン作品のエキスパートとしても知られるイタリア系フランス人ピアニスト、ロジェ・ミュラロ(ムラロ)が担当。

指揮のチョン・ミョンフンは言うまでもなくメシアンのお気に入りともいうべき存在で、これまでにも数々の優れたレコーディングやコンサートをおこなってきているのは誰もが知るとおり。

演奏至難なこの巨大作品では、かつてアンタル・ドラティの指揮したDECCA盤が有名だったものの、さすがに現在となっては少々音質が古くなってしまった。

その後、ラインベルト・デ・レーウ盤がリリースされたが、演奏面での評判はいまひとつ。

続いてKOCHから登場したリッケンバッハー盤は、作曲者の知己を得てロリオのピアノまで獲得したにもかかわらず、録音のコンディションがあまり良くなく、色彩感が少々物足りない演奏だったという事情もあり、余裕を持って作品の隅々まで見通したチョン・ミュンフンの演奏が代表盤であろう。

オリヴィエ・メシアン没後10周年にふさわしい傑作アルバムとなった。

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classicalmusic at 09:25コメント(0)メシアン  

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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