2022年03月24日

カラヤン&ベルリン・フィル/ブルックナー:交響曲第8番、1966年コンセルトヘボウでの凄絶ライヴ、極上音質で復活の超絶ライヴ高音質UHQCDにて登場!


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カラヤンにとってのコンサートにおける「ブル8」は勝負曲であった(オペラ・ハウスでは《トリスタンとイゾルデ》)。

フルトヴェングラーの後任としてベルリン・フィル戦後初のアメリカ・ツアーを率いた1955年も、ベルリン・フィルとの不協和音が囁かれる中で敢行した生涯最後のウィーン・フィル、ニューヨーク公演もこの曲を轟かせて批判の声を封じ込めたのだ。

当演奏は伝説の1966年日本公演の直後に行われたヨーロッパ・ツアーから、名ホール、アムステルダムのコンセルトヘボウで行われた凄絶なライヴ。

名門ホールのコンセルトヘボウの豊かな残響を伴った好条件の会場で、壮年期における気力十分なカラヤンとベルリン・フィルの劇的なブルックナー演奏が残ったことは、まさに僥倖だ。

その演奏は、弦が柔らかに歌う最弱音から、金管が荒々しく咆哮する最強音まで、振れ幅の大きい表現で聴く者を圧倒する。

カラヤンのライヴはスタジオ録音の印象とは異なり、非常にアグレッシブかつ即興的であり、彼の実演がいつも大喝采に終わるのは、それなりの理由があるのである。

縦の線を揃えることにはあまり注意が払われていないので、時折、おやと思うようなズレも散見されるが、それはそれで、より音楽の生々しさ、一回性を伝えて余りある。

また、ブルックナーの作品は、後期に近づけば近づくほど扱われる和声も複雑になってきていて、「今鳴っているのは何調で、次は何調に転調する」といったプログラム的な聴き方では間に合わない部分が頻出する。

この曲でも所々で短調と長調の旋律が同時に鳴っていて、音と音がぶつかり合うことで極めて深い響きを生んでいる。

そうした入り組んだ曲を扱った時のカラヤンは、まさに音楽のすべてを一手に束ねる「大司祭」というべき高みに達する。

指揮者のリッカルド・ムーティがカラヤンのブルックナー演奏を「神の声をきくよう」と評したと伝わっているが、この演奏の前では、それもあながち誇張には聞こえない。

一方で、第3楽章のアダージョでは、各楽器を思いのままに歌わせながら、流麗な音楽の流れを作り出している。

曲尾近くでは大伽藍のような壮大なクライマックスが築き上げられるが、それが少しの誇張もなく自然に達成されているのは、まさにカラヤンならでは。

このあたり、彼特有の流れるような柔らかい腕の動きが目に見えるようでもある。

まさに知情意のバランスの取れたブルックナーとして、長く語り継いでゆくべき演奏だろう。

壮麗な音響、荒々しいまでの推進力、絶望に至るほどのカタルシス、他国客演時では常日頃より燃え上がるのがカラヤンだった。

スタイリッシュなだけでない汗をかくカラヤンを味わいたいならこれも聴かねばなるまい。

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classicalmusic at 14:31コメント(0)ブルックナー | カラヤン 

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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