2022年03月24日

アーノンクール/モンテヴェルディ・オペラ・サイクル 1968-1974《オルフェオ》《ウリッセの帰郷》《ポッペアの戴冠》


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オペラ指揮者アーノンクールの出発点ともなった名盤。

アーノンクールが頭角をあらわした1960年代から70年代にかけては、古楽をとりまく状況は、現在とはまったく異なっていた。

特にモンテヴェルディの作品は、多くが編曲ヴァージョンの分厚い響きで演奏されていたが、アーノンクールは大胆な時代考証により、作曲当時、現代とはまったく異なる社会や文化環境の中で上演されていたそれらの作品がもたらしたであろう人々の興奮と感動を呼び起こすべく、ここでも大いに奮闘しているのである。

1968年から74年にかけておこなわれたこれらオペラ三部作のレコーディングは、録音開始の4年前にすでに始められていたアーノンクールの研究と実践によって、徹底的に音楽表現の可能性が追究されているのが特徴。

オリジナル楽器による初の録音であり、その後に続く一連のオリジナル楽器によるディスクの嚆矢となった記念碑的存在。

古楽器を使用し躍動感に富むオケのサウンドと共に、アーノンクールの意図に沿った歌唱を聴かせる歌手たちが生き生きとしたドラマを表現している。

より一層の原点研究に加えて、独自の考察を試みた画期的な演奏は、多くの音楽家たちに多大な影響を与えた。

そして楽器の象徴的な用法など初演時の形態を模索しながらも、オリジナル楽器による演奏に十分に親しんでいない聴衆にも容易に受け入れられるような工夫をして、モンテヴェルディのオペラの魅力を多くの聴衆に知らしめた、劇的にも音楽的にもコントラストを強調させた演奏はいかにもアーノンクールらしい。

その後、チューリッヒ歌劇場と制作したオペラ映画を経て、四半世紀ののち、21世紀を迎えたアーノンクールは、再びモンテヴェルディ・シリーズに取り組み、今度は人間のダークサイドを浮かび上がらせるような上演をおこなって、かつての演奏とはずいぶん違う傾向のものとなっていた。

そうした演奏を踏まえて改めてこれら最初の録音での自信と活気に満ちた演奏を聴くと、社会全体の雰囲気の差のようなものすら窺えるようで、ずいぶんと率直な魅力に満ちていた時代の音楽の雄弁さを思わずにいられない。

そういえばアーノンクールの名を一躍有名にした過激な『四季』が録音されたのは1977年のことだった。

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classicalmusic at 18:30コメント(0)アーノンクール | 音楽史 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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