2022年03月28日

人類史上の至高至純の音楽 ▲リジナル楽器による初のバッハ:カンタータ全集、アーノンクール&レオンハルト盤(第1番〜第20番)


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アーノンクールとレオンハルトというバッハの権威を2つの柱に据え、オリジナル楽器を使って原典に忠実な再現を目指したシリーズ。

アーノンクールのリズムを強調した先鋭に加え、現代におけるバッハへのアプローチの新視点に対し、かたやレオンハルトの穏やかな自然体の暖かさの中で、これも新しいバッハ像の確立と、それぞれの受け持ちナンバーから様々なバッハが見えてくるのも楽しい。

精密な考証で現代にあるバッハの命をふくよかに伝え、学問的リゴリズムに陥らず、バッハ当時の音楽再現と共にひとつのスタンダードな演奏法を確立しているカンタータ大全集である。

10年以上もかけて完成した労作だけに、入念な考証、演奏法、テキスト・クリティックが素晴らしい。

目の覚めるような新鮮な演奏で、合唱、独唱、楽器陣、いずれも神への賛美と感謝の心が漲っている。

一桁のナンバーでは少年たちが何という美しい声をきかせてくれることだろう!

合唱指揮者ギレスベルガーの徹底した指揮もあってのことだろうが、信じがたいほどの充実ぶりで、ソロも素晴らしい。

教会の中で聴く場合は別にして、この手の録音には少年たちの受け持つソプラノやアルトの音程が定まらないことや、ヴィブラートのない直線的な声と男声パートの間に隙間が感じられたりするが、ここにはそういう心配がまるでない。

第10番は「マニフィカト」のドイツ語版。

レオンハルトの演奏は、合唱(テノール、バス)がやや暴走気味なのが惜しい。

第11番は、カンタータというよりむしろ“昇天祭オラトリオ”とでも称すべき作品だが、ここでのアーノンクールの指揮はまろやかな音を前面に押し出して堅実な構成を見せている。

歌い込みも充分で、各曲の対比感がうまく捉えられている。

第12番は細やかな配慮が随所に感じられ、この曲の持っているロマン的性格をエクヴィルツ以下の歌手が恐れずに表出している。

第13番は曲が第12番と比べて難しく、バスのアリアも妙なアクセントがついている。

第16番は冒頭のコラールを歌う少年合唱の発声がウィーンのものと違ってひどくローカルなのが残念。

アーノンクールはできる限りの原典考証を学究的研究で突き詰め、不備な書法を補いながら優れた演奏を刻んでいる。

特に第18番の第3曲は難曲だが、ここでの完璧なメリスマ唱法と通奏低音の気魄のこもった応答には頭が下がる。

ソプラノ、テノール、合唱共に名演である。第19番の合唱も熱の入ったもので、1音符ともゆるがせにしない。

第20番も全篇を通じて楽器の選び方に細心の注意が払われている。

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classicalmusic at 14:20コメント(0)アーノンクール | レオンハルト 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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