2022年04月11日

ワルター最晩年の至宝!ブルックナーの交響曲3曲(第4・7・9番)、ドイツ・ロマン派の神髄!ワーグナーの管弦楽作品集のハイブリッドSACD化


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マーラーの愛弟子であったワルターは必ずしもブルックナー指揮者とは言えないと思うが、それでも、最晩年に、コロンビア交響楽団との間に、「第4」、「第7」及び「第9」の3曲の録音を遺した点に留意する必要があるだろう。

先ずは「第4」であるが、これは典型的な後期ロマン派的な演奏だ。

金管群は力強さを増し、そのため終楽章などいっそう雄大な音楽と感じられる。

冒頭の力強いトレモロからして指揮者の芸格の高さが如実に表れていると思うが、テンポのめまぐるしい変化も特筆すべきだ。

特に、第3楽章の中間部の超スローテンポや、終楽章の開始部の快速のテンポなどは、他の演奏にもあまり見られない例であると言える。

こうしたテンポの変化は、ブルックナー演奏の基本からするといささか逸脱していると言えるが、それでいて恣意的な解釈を感じさせないのは、巨匠ワルターだけが成し得た至芸と言えよう。

第1楽章は壮麗で、展開部は部分的にやや緊張力が乏しいが、音楽的には常にゆとりがあり、対旋律もよく歌っている。

第2楽章も端正でありながら、情緒豊かな表現もワルター的といえる。

抒情的な箇所のヒューマ二ティ溢れる情感の豊かさは実に感動的であり、総体として、名演と評価するのにやぶさかではない。

「第7」は、ブルックナーの交響曲の中で、最も優美なものであるが、それが最晩年のワルターのヒューマニティ溢れる情感豊かな指揮と見事にマッチしていて、素晴らしい。

作品自体が抒情性を前面に表した曲なので、作品とワルターの音楽的本質が深く関わり合った演奏といえる。

特に第1楽章は響きの量感を別にすれば、非常にワルター的といえる。

第3楽章の中間部におけるスローテンポや、特に終楽章におけるテンポの変化など、ブルックナー演奏の定石とはいささか異なる後期ロマン派的解釈も散見されるが、特に第1楽章と第2楽章は他の指揮者の追随を許さないほどの美しさに満ち溢れていると言える。

ただ、ワルターの感性と作品の抒情性が重畳したためか、演奏が歌謡的に傾斜し、造形的な厳しさという意味では問題も残す。

このような弱点もあるが、やはり捨てがたい優美な演奏である。

「第4」や「第9」で見られたコロンビア交響楽団の技量の拙劣さも、この「第7」では殆ど見られない点も、本名演の価値をより一層高めていると言える。

最晩年のワルターが、ブルックナーの最も深みのある「第9」の録音を遺してくれたのは何という幸せであろうか。

「第4」や「第7」もなかなかの名演であったが、この「第9」も名演の名に相応しい出来であると考える。

演奏は、ワルターの個性を強く表しながら、極めて格調が高い。

「第4」や「第7」では、テンポの動かし方やとりわけスケルツォ楽章におけるトリオでの超スローテンポなど、ブルックナー演奏の定石からするといささか異質な後期ロマン派的解釈も散見されたが、この「第9」に限っていうと、そのような箇所は殆どなく、インテンポによる確かな足取りで、この深遠な交響曲を重厚に、そして荘重に描き出していく。

特に第3楽章は改めてワルターの深遠な芸術を感じさせるが、それと同時に人間的な情味を色濃く残しているのがユニーク。

優美な「第7」と比較すると、ワルターの芸風に必ずしもマッチする交響曲とは言えないと思うが、これほどの深みのある名演に仕立てあげた点はさすがは巨匠ワルターというほかはない。

残念なのは、コロンビア交響楽団の演奏の拙劣さ。

金管楽器は、録音のせいも多少はあるのではないかと思うが、無機的な力づくの吹奏を行っている点が散見される。

特に、最悪なのは終楽章のワーグナーテューバの品のなさ。

ここは何とかならないものであろうか。

終結部のホルンもイマイチだ。

しかしながら、演奏全体としては、名演との評価を揺るがすほどのものではないと考えておきたい。

ブルックナー以上に素晴らしいのが併録のワーグナーの『タンホイザー』より「序曲とヴェヌスベルクの音楽」。

ゆったりとしたインテンポでスケール雄大な音楽を構築しており、カレッジ・コンサート合唱団も最高のパフォーマンスを示している。

「ローエングリン」第1幕への前奏曲やジークフリート牧歌はさらに超名演。

いずれもゆったりしたテンポの下、深沈たる深みのある抒情的な表現が見事。

ここでは、コロンビア交響楽団も最高のパフォーマンスを示していると言える。

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classicalmusic at 05:02コメント(0)ワルター | ブルックナー 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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