2022年06月03日

バッハ・ファミリーに寄せるクイケンの情熱、満を持したクイケン第1回目のバッハ・フルートソナタ集


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この2枚のCDはC.Ph.エマヌエル・バッハのオブリガート・チェンバロ付のフルート・ソナタ全曲集で、ここには10曲が収録されている。

そのうちの2曲、変ホ長調及びト短調はBWV番号が付された、かつては大バッハの作として考えられていたものだ。

C.Ph.エマヌエルはこの他にチェンバロのパートを書いていない、いわゆる通奏低音付のフルート・ソナタを11曲ほど残している。

そちらの方もクイケンは2006年にデメイエールと録音しているので、無伴奏ソナタイ短調を含めて彼の真作と考えられる総てのフルートのためのソナタ集が完成したことになる。

クイケンはまた最近インテグラル盤としてバッハの他の息子達の同曲集もリリースしている。

このセットもバッハ・ファミリーに寄せる彼の並々ならぬ愛着と情熱が感じられる演奏だ。

全体の印象としては、通奏低音から解放された軽快さが支配的で、実質3声で書かれていても、事実上ソロ・ソナタの様相が強く出ている。

それはクイケン自身がこれらの作品を古典派のソナタの萌芽として捉えているからだろう。

言ってみれば対位法作品というよりは、むしろギャラント様式の装飾性を強調している。

彼は高音が軽やかなA.グレンザー・モデルを使っているが、こうした楽器の選択もその傾向を助長している。

チェンバロの両手のパートをくまなく書き込むことを始めたのは大バッハであり、彼は特に右手を他の楽器に換えることが殆んど不可能と思えるほど、鍵盤楽器特有の音域とテクニックを大胆に駆使しているのが特徴だ。

彼の息子の時代には左手が単純化される傾向にあり、和音伴奏に近づいている。

仕様楽器はクイケンのトラヴェルソがアウグスト・グレンザーのワン・キー・モデルで、一方ヴァン・アスペレンの弾くチェンバロは二段鍵盤のミートケ・モデルでピッチはa'=415。

全曲とも1996年の録音だが、20bitハイ・デフィニション・サウンドと銘打ってあるだけあって極めて鮮明な音質だ。

ライナー・ノーツは29ページで英、独、仏、伊語のかなり詳細なクイケン自身の解説が掲載されている。

そこではト短調ソナタの作曲者についても言及していて、彼の推測ではこの曲はC.Ph.エマヌエル少年期の習作で、大バッハがそれを手助けした一種の共作ではないかということだ。

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classicalmusic at 06:01コメント(0)バッハ | クイケン 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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