2022年05月18日

ヤンソンス指揮による2006年ネーデルランド・オペラ公演、ショスタコーヴィチの最高傑作ともされるオペラ《ムツェンスクのマクベス夫人》の真髄に肉迫する凄演!


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ショスタコーヴィチのオペラ《ムツェンスクのマクベス夫人》(1932年)は衝撃的な作品だ。

強姦、情事、殺人、死体遺棄、司祭や警官への揶揄、因人のシベリア送りまでが、ここまでリアルに作曲されたオペラは稀であろう。

当初、世界的に歓迎されたこの問題作が、ただ一人スターリンのお気に召されなかったことから、ショスタコーヴィチに危機が訪れたことは周知の事実。

以後、ショスタコーヴィチは常に命の危険を感じながら、本音を隠すような苦渋の創作活動を強いられることになる。

だが、このオペラには25歳の天才が未だ何の制約も受けず、創作の翼をどこまでも伸ばしてゆく、やりたい放題の素晴らしさがある。

映像では、マリス・ヤンソンス指揮による2006年ネーデルランド・オペラ公演が、作品の真髄に肉迫する凄演だ。

性描写や人の残虐性をギリギリの芸術性で描くクシェイ演出が冴えわたる。

カテリーナ役のウェストブロークの情念も艶めかしく、セルゲイを演ずるヴェントリスが、憎たらしいほどこの放蕩人役に嵌っている。

映画《カテリーナ・イズマイロヴァ(「マクベス夫人」の改訂版)》(ジャピロ監督)も一度は観たい。



オリジナルの《ムツェンスクのマクベス夫人》ではなく、改作された《カテリーナ・イズマイロヴァ》がDVDで視聴できる。

といっても上演の記録ではなく、1966年に制作されたソ連(当時)の映画だ。

カテリーナはヴィシネフスカヤが歌い、演技もしているが、ほかの役は歌手が歌い、演技しているのは俳優だ。

《カテリーナ》ではあるけれど、なにしろ映画なので、いろいろな省略はある。

当局への配慮から性的な描写が穏便に改訂された無念さはあるが、背景となるロシア豪商の有様、シベリアへの辛い道行き、カテリーナが身を投げる川の冷たさなど、実写でなければ体感できない面白さがある。

ショスタコーヴィチは原作《ムツェンスクのマクベス夫人》の性的などぎつい部分を改訂し、30年近く封印されたこのオペラ映画を再登場させた。

カテリーナ役のヴィシネフスカヤが名演を博し、シャピロ監督の演出の冴えと相俟って、見ごたえのある作品に仕上がっている。

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classicalmusic at 02:05コメント(0)ショスタコーヴィチ | ヤンソンス 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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