2022年05月27日
精緻でスマートな解釈、フルシャ、バンベルク響の新譜、マーラー交響曲第4番
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ヤクブ・フルシャ手兵バンベルク交響楽団の演奏活動は、そのままレコーディングされて前回まではドヴォルザークとブラームスの交響曲をカップリングしたSACDがリリースされた。
今回はレーベルを変えてレギュラー・フォーマットのCDを二組出した。
そのひとつがこのディスクのマーラーの交響曲第4番で、もう一組はブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を四つのバージョンで演奏した4枚組だ。
フルシャはSACDでのリリースを好んでいるが、音質は極めて良好といえる。
特にマーラーの4番はアンサンブルが重要視されている。
なかでも第二楽章ではヴァイオリンを始めとしてフルートやオーボエなどのウィンド・セクションからブラス・セクションまでのソロパートが大活躍する。
フルシャの繊細で几帳面な合わせ技が聴きどころで、決して四角四面な演奏ではなくつづれ織りのように艶やかだ。
終楽章は「天上の生活」が歌われるが、通常のソプラノではなくフルシャはメゾ・ソプラノのアンナ・ルチア・リヒターを起用している。
彼女の輪郭のはっきりした、しかしやや影のある声質が、独特の中性的な雰囲気を醸し出している。
これもフルシャのこの作品に対する解釈のオリジナリティーを示している。
ちなみにバーンスタインはボーイ・ソプラノに歌わせている。
フルシャの要求だろうが、バンベルクは非常に正確に音程をとるオーケストラで、和音を美しく響かせるときにはヴィブラートを避けている。
それがフォルテの時にはより力強く響くし、弱音の時でも和音が濁らずに鮮明に聞こえる。
彼らの演奏はこれからも水準の高いCDのリリースが期待できる。
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