2022年06月09日

ゲルギエフの十八番👍トルストイの小説を原作としたプロコフィエフ:歌劇『戦争と平和』/キーロフ歌劇場が総力を挙げて上演したスペクタクルな舞台✨


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



19世紀初頭のロシアを舞台に、戦争とさまざまな人間ドラマを絡めて描く類例のない規模に達した壮大なオペラ。

1941年の台本作成開始から、作曲者が亡くなる直前の最終版完成まで優に12年を費やした超大作である。

1943年に全11場で完成したこの作品は、情景を加えたりカットしたりを経て1953年の全13場最終版に至る。

作曲者の急死により、本人が完成形の上演を観ることはなかった。

音楽性の高い美しいメロディーや壮大な合唱曲など、どれも心に深く印象付けられる。

トルストイの原作はきわめて長大なもので、筆者としてはドストエフスキーの5大長編小説読破後、最後に取り組んだロシア文学だが、酷く消耗し、疲労困憊した。

プロットに忠実に映画化された1965年のソ連製映画ではその長さは実に7時間に達していたが、オペラでは長さは5分の3ほどに刈り込まれて見やすいものとなっているのがポイント。

さらに登場人物も明快な方向に整理され、原作では500を超えていたキャストも7分の1程に凝縮、ストーリーの流れをよりドラマティックなものとすることに成功している。

プロコフィエフの音楽も非常に優れたもので、『ロメオとジュリエット』の素材などを効果的に交えながら、美しくリリカルかつ強烈にスペクタクルという、レンジの広大な音楽を構築していく。

合唱を多用して、マスとしての大きさや奥行きを巧みに演出しているのも見逃せないポイントだ。

平時と戦時、民衆と貴族、シリアスとコミカル、愛と憎しみといった具合に相対する要素を雄弁をきわめたオーケストラと共にコントラスト豊かにまとめあげていてまったくだれることがない。

当ディスクに収録された映像は、サンクト・ペテルブルグにあるロシアの名門、キーロフ歌劇場での1991年の上演を収録したもの。

指揮はプロコフィエフの音楽を偏愛し、そのエキスパートで熱血指揮者ワレリー・ゲルギエフが担当。

サイトウ・キネンの『イェヌーファ』でも話題をさらったプロキナや美声のボロディナなど、声に恵まれた歌手陣を率いて覇気に富む演奏を聴かせてくれている。

演出は世界的なキャリアを誇る英国人演出家、グラハム・ヴィックによるものである。

豊かな色彩と明快な象徴性を持たせたティモシー・オブライエンの美術をベースに混乱のない舞台構築を実現。

グラインドボーンで鍛えた求心力の強い演出手法が、長大な作品の引き締めに効果も十分である。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 21:20コメント(2)プロコフィエフ | ゲルギエフ 

コメント一覧

1. Posted by le chat noir   2022年06月14日 20:34
5 そういう作品があるのは知りませんでした。
2. Posted by 和田   2022年06月14日 20:41
人類史上最大の🤴小説トルストイの『戦争と平和』を読破するのはとてもしんどい😧ですが、名作なので、オペラでの観劇をおすすめします🎼。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ