2022年07月01日

毅然として生きることに真のヒューマンな喜びがある💖超豪華キャストで固めたクーベリック&バイエルン放送響/プフィッツナー《パレストリーナ》


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プフィッツナーの代表作《パレストリーナ》はドイツ語圏では時々演奏されても、それ以外の国では滅多に採り上げられないようなので、作曲者と楽曲の説明を中心にしたい。

日本ではなかなか見ることのかなわないレアなオペラだが、プフィッツナーの音楽は現代ということをあまり感じさせないロマン派的な非常に美しいものだ。

クーベリックの指揮の下、名歌手たちの見事なパフォーマンスを聴くだけでも十分に楽しめるし、豪華布陣からドイツでのパレストリーナの占める地位がうかがえる。

「音楽的不能に関する新しい美学」は、Wikipediaによると「腐敗の徴候」という副題が付いていて、ユダヤ人が音楽に破壊的な影響を与えたという攻撃で結ばれている。

しかしその一方で、プフィッツナーはマーラーに恩義があり、尊敬し、人間的に愛していたとされている。

それは彼の作品を一流の劇場で最初に上演したのがマーラーだったということも大きいはずだ。

マーラーがプフィッツナーのオペラ《愛の花園のばら》をウィーンで上演する時、リハーサルに彼を呼び、マーラーの後ろに座らせて、「気に入らないところがあればいつでも演奏を止めるように」した。

マーラーは「ほんとうにあなたの批判的な意見が聞きたい」とも言ったそうで、正しく偉大な芸術家に対する態度であった。

そんな恩義があって、人物としてはマーラーを敬愛しても作曲上の価値観、好みは別で、他の論文では「もし聖霊なる造り主が現れなければ、どうするのか」と、マーラーの第8交響曲の冒頭合唱を持ちだしてマーラー、シェーンベルク、シュレーカーを攻撃の対象としていた。

第三帝国時代、政権が栄誉を与えてくれることを期待したものの、気難しい性格と風采があがらないことが災いしてか、ヒトラーにあまり好かれず、大した恩恵は無く、大戦末期には自宅は空襲で消失した。

第二次大戦後はウィーン・フィルがプフィッツナーに好意的で、ザルツブルクに家を用意までしてくれたので、彼はそこで亡くなった。

プフィッツナーの行動にはいろいろ話題もあるが、「反ユダヤ的ではないが、親ユダヤ的でもない、良いドイツ人だと思ったユダヤ人なら好いていた」というクレンペラーの評が象徴的だ。

以下は個人的な私見であるが、プフィッツナーの作品には行きどまりの閉ざされた世界に場所を求めた人たちの最後の拠り所が感じられる。

とくに志操堅固を貫くあまり、孤高な生き方をよぎなくされる人々にとって、このオペラは、この上ない励ましとなり慰めとなるだろう。

毅然として生きることに真のヒューマンな喜びがあり、それが倫理的にも情感的にも納得できるひびきとして伝わり、明日もまた雄々しく生きる勇気を与えてくれる。

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classicalmusic at 13:17コメント(0)クーベリック | F=ディースカウ 

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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