2022年08月01日
夭逝したデュ・プレ😢「百年に一人生まれるかどうかの大天才」と形容されたチェリスト👍2012年にリリースされた全集のオリジナル・カップリング盤👏
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デュ・プレのザ・コンプリートEMIレコーディングスの17枚組が既に2012年にリリースされている。
今回はCD23枚で追加された6枚分の曲目を調べてみた。
デュ・プレが演奏しているレパートリーで新音源はわずかにブラームスのクラリネット三重奏曲イ短調のみだった。
これは1968年にド・ペイエのクラリネット、バレンボイムのピアノとの共演でロンドンのアビーロード・スタジオでのセッション録音だ。
リヒャルト・シュトラウスの交響詩『ドン・キホーテ』に関しては当時の録音の手落ちを今回新しく修正したもので、演奏自体は同一。
このワーナーの新全集のために新規のリマスタリングが行われている点も挙げられるが、旧全集を持っている方はそちらで充分だと思う。
CDの枚数が6枚増えたのは、LP盤初出時のオリジナル・カップリングを採用したために、デュ・プレが演奏していないディーリアスの管弦楽作品が数曲ある。
またCD3の小品集では収録曲11曲のうち彼女の演奏は僅かに5曲のみという具合なので、水増し的に量は増えたが内容は殆ど変わらないというのが実態だ。
旧盤をお持ちの方は買い替える必要はないと思うが、既に製造中止の憂き目に遭っているので、これから彼女のコレクションを始めたいという入門者には便利なセットとしてお薦めできる。
デュ・プレのキャリアは正味12年間ほどで、既に28歳の時には不治の病のために演奏活動を断念しなければならなかった。
このために円熟期を迎えることができなかった恨みは残るとしても、その若さに相応しい強い感性に支えられた演奏は不滅の輝きを持っている。
彼女はチェロの演奏に没頭しながら短い人生を駆け抜けるように生きたし、またその演奏もひたむきなまでに情熱的だ。
曲によってはもう少し醒めたところがあってもいいと思うものもあるが、ここに収められた曲集では既に彼女が誰にも真似のできない独自の芸術的な域に達していたことを察するに余りある。
デュ・プレの演奏の特徴は、天性の鋭い感性で曲想を楽譜から直感的に読み取っていくところにある。
それは時間をかけた試行錯誤を繰り返して入念な解釈を見出すことが許されなかった彼女に与えられた最高の武器だったに違いない。
それだけに情念が燃え上がるような曲趣のシューマン、ドヴォルザーク、エルガーなどでは何かに憑かれたような濃密な表現だ。
また同じドヴォルザークやディーリアスでの緩徐楽章で聴かせる全神経を集中させたカンタービレの美しさも真骨頂だ。
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