2022年08月03日
👏圧巻のロシアン・ピアニズム‼何故無名?レジェンダリー・トレジャーズ・シリーズより👍知られざるロシアの大ピアニスト👉ルドルフ・ケーラーの録音集🙌
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ルドルフ・ケーラー(Rudolf Kerer)というロシアのピアニストは筆者の恩師から教えていただき、聴いてみて愕き慄き、何故今日まで知らずにいたのか後悔したとともにワクワクしながら聴き通した。
メーカーと癒着した音楽ジャーナリズムが撒き散らす情報の洪水の中で、改めて「自分の耳で聴く」態度を貫徹しなければならないと肝に銘じたところである。
ケーラーは、1923年ティフリスに生まれ、6歳でピアノを始め、12歳でトビリシ音楽院に学び、15歳の時にチャイコフスキーの協奏曲を公に演奏した。
大戦中に家族と共にロシア国外へ強制移住させられたときは、ピアノもなかったためテーブルに白黒を塗って鍵盤に模したという。
非常に厳しい境遇を乗り越えて、雪解け以降は祖国に戻りモスクワ音楽院の教授となったほか、ウィーン国立音楽大学教授も務めた。
晩年はチューリッヒに移り住み、2013年に90歳で世を去った。
このセットではロジェストヴェンスキーやコンドラシンといったロシアの名匠との協奏曲録音やソロによる演奏をたっぷりと収録しており、これだけまとまって聴けるのは貴重だ。
カナダDoremiレーベルは様々な録音を復刻しており、「LEGENDARY TREASURES」というシリーズは時々気になる演奏家の録音を探し出してくる。
今回発売されたケーラーの録音集は全てロシアMelodiya音源であり、過去に発売され話題になった録音をかなり含んでいる。
ただし、録音数はかなり多い割には、CD化は進んでいないらしい。
筆者はこのピアニストのことを今回入手するまで存じ上げなかったが、録音を聴いてみると、こんなピアニストが無名なのかと驚いた。
よくよく調べてみると、ケーラーに師事したというピアニストは大勢出てくるし、コンクールの審査員をやっていたという記述も見かけるので、ピアニストの間では有名な人物だったのだろう。
協奏曲では、伴奏のロジェストヴェンスキー・コンドラシン・ドゥブロフスキーの指揮の素晴らしさもあるだろうが、ライブ録音かと思われるほど、熱気がある演奏である。
ピアノ曲でもその熱気は感じられるので、これはケーラー自身のスタイルなのだろう。
いかにもロシア人ピアニストらしい、確かな技術に意思の力が籠められているのが分かる。
この録音集で特に感銘を受けたのはやはりロシア物で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、プロコフィエフのピアノ協奏曲第1番は圧巻。
その他、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ピアノ・ソナタ第8番、シューマンの交響的練習曲などすべて傾聴に値する。
いずれにせよ他にも多くの録音が残っているなら是非とも発掘していただきたい。
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