2022年10月19日
🧑🦳円熟期のシェリング🎻ライヴに強い彼の面目躍如🎶
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1979年8月1日のザルツブルク音楽祭に招かれた時のライヴ録音で、シェリング61歳円熟期の演奏が堪能できるアルバムだ。
プログラムではシェリング定番のブラームスとベートーヴェンにモーツァルトの後期のソナタを加えた押しも押されもしない、堂々たる演奏が繰り広げられている。
彼のレパートリーの主軸となるのはドイツの三大B、つまりバッハ、ベートーヴェン、ブラームスの作品でそれらは生涯の課題でもあったに違いない。
またここでも聴かれるように、彼は時としてセッション録音よりライヴでの演奏の方が生き生きとして、自由闊達な表現を可能にしている。
伴奏ピアニスト、ジェイムズ・トッコは個性的というよりはシェリングのソロを生かすことに努めているが、バランスが良く勘所を抑えた上手い人だ。
ライヴなので聴衆の拍手は入っているが、演奏中の雑音は最小限に抑えられている。
会場となった祝祭大劇場の残響も程よい程度に入っている。
3曲のソナタはいずれも作曲家がテクニック的にも意欲的にも充実していた時期の作品だけに、音楽的な深みと共に対位法などを駆使した構成感への造形が要求される難易度の高い曲だが、円熟期のシェリングの端正さと多彩な表現力が充分に示されている。
音楽的なセンスと恰幅の良さは、傾向は違うにしても彼が尊敬していたオイストラフに一脈通じるものがある。
シェリングはベートーヴェンについてはルービンシュタインと選集を、そして全曲をヘブラーとセッション録音しているし、ブラームスは全曲をやはりルービンシュタインと完成させている。
モーツァルトはヘブラーとCD4枚分の選集を残しているが、それらに優るとも劣らないのがこのライヴ録音であることは言うまでもない。
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