2022年10月13日
🛩️飛翔するような音楽性を見事にコントロール🎛️音楽的な構成力と共に溢れんばかりの歌心を披露🫀シェリング&クーベリックによるブラームス🎻
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ヘンリク・シェリングはブラームスのヴァイオリン協奏曲をレパートリーの中心に据えていた。
これまでに遺された音源は1955年のカール・シューリヒト指揮、フランス国立放送管弦楽団との共演から始まって、1973年のハイティンク、コンセルトヘボウ管弦楽団までセッション、ライヴを合わせて8種類がリリースされている。
それぞれの時期によってシェリング自身の演奏スタイルも変化しているし、また指揮者によっても多彩な表現が聴かれるが、ブラームスに関しては一般的に言ってライヴの方が白熱的な臨場感を感じさせてくれる。
そのライヴを代表するのが1958年のモントゥー指揮、ロンドン交響楽団と、このディスクの1967年のクーベリック指揮、バイエルン放送管弦楽団の演奏だ。
どちらも恐るべき集中力と緊張感、そして音楽的な充実感がお奨めで、前者はモントゥーの堂々たる采配と覇気に貫かれたシェリングののソロが惚れ惚れさせるが、録音状態がやや劣っている。
かろうじてステレオ録音ながらオーケストラの細部の再現で当時の録音技術的な限界を感じてしまう。
後者は同じライヴながら広い音場と音像の分離状態やサウンドの無理のない伸びの良さで優っている。
1967年6月11日にウィーンのコンツェルトハウスで行われたコンサートで、クーベリックは先ずお国物のドヴォルザークの『フス教徒』序曲を採り上げている。
この選曲は聴衆の熱気を弥が上にも高める結果になっていて、後半のクライマックスの白熱的な盛り上がりは、メインのブラームスへの絶妙な受け渡しに成功している。
シェリングのハイティンクとのセッション録音では、優等生的な演奏が面白くないという批判の対象になっているのも事実だろう。
しかしここでの彼は飛翔するような音楽性を見事にコントロールして、その音楽的な構成力と共に溢れんばかりの歌心を披露している。
その後のマイナス面をできる限り出さないという演奏とも違い、クーベリックの壮絶なオケと時には対峙し、また時には美しく協調してブラームス本来の美学とロマンティシズムを体験させてくれる。
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