2022年10月19日
新譜📰完結したフルシャ🔰バンベルク響のハイブリッドSACDバージョン🆕ブラームス、ドヴォルザーク交響曲集
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ヤクブ・フルシャ、バンベルク交響楽団による都合8枚のハイブリッドSACDになる。
ブラームスとドヴォルザークの交響曲を対比させ、後輩ドヴォルザークの受けた多大な影響と彼が選択したブラームスとは異なった手法を明らかにした企画が今回で完結した。
この最終巻は2019年の5月に録音された音源で、バンベルクのコンツェルトハレ、ヨゼフ・カイルベルトザールの音響が理想的に採音されている。
この企画によって彼らのコラボによるブラームスの交響曲全4曲が完成したが、一方ドヴォルザークに関しては第6番から9番までで、初期の第5番まではいずれ何らかの形で実現して欲しい。
ただしこのシリーズで選曲された両者の交響曲は初演のデータも比較的近くそれらの共通点と相違点を感知することが鑑賞の醍醐味のひとつだろう。
ブラームスの第2番は、満を持して発表した第1番の高揚した緊張感に比較すると自信をつけた作曲家が、更に闊達な手法で余裕をみせた安らぎが感じられる。
ドヴォルザークの第7番は、ブラームスの楽想やオーケストレーションを学びながらも独自の道を開拓していく意気揚々とした作品で、こうした特徴をフルシャはごく正攻法の解釈で提示している。
それゆえ彼のお国物でもある第7番での民族的な熱狂にはそれほど固執せず、むしろオーケストラのダイナミズムで音楽を進めている。
これはドヴォルザーク自身が求めていた解釈と思われる。
またフルシャは和声の進行を聴かせる部分ではビヴラートを避け、非常に精緻で力強いハーモニーを引き出すことに成功している。
そうした方法がかえって音楽を冷めたものにせず、充実感をもたらしてくれる。
若手の指揮者の中でも彼は個性的な表現で注目させるタイプではなく、音楽自体に語らせる理知的なテクニックをマスターした指揮者であることは間違いない。
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