2022年11月14日
🗺️20世紀を代表するブルックナー指揮者の終着点🔚ヨッフム&ベルリン放送響👴ブルックナー:交響曲第9番[DVD]🎦
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国際ブルックナー協会会長も務めたことのあるオイゲン・ヨッフムが1984年3月にベルリン放送交響楽団と共に行ったライヴが収録されている。
ヨッフム得意のブルックナーで、その演奏の魅力は、いまだ色褪せず健在である。
ブルックナーの魅力を、最も直截的に伝えていたのは、カラヤン、チェリビダッケよりもヨッフムだった。
オーソドックスな曲調ながらも、その中にブルックナーの権威であるヨッフムの作品への想いが表れた名演奏である。
ヨッフムはいぶし銀の巨匠となり、ブルックナーの最高権威としてその普及に絶大な貢献をなした。
この演奏も実に味わい深いものがあり、ブルックナーの巨大な音楽構造の中に、人間的な温もりを感じさせる演奏となっている。
そしてその中で、かなりのテンポの変化を設けて情熱的なうねりも聴かせ、ブルックナーがロマン派の作曲家であったことを強く意識させている。
このようにロマン的な配慮も多いにも関わらず全体の造形が崩れないのは、ヨッフムの職人的な技が細部に行き届き、その結果アンサンブルが高度に維持されているからである。
ベルリン放送交響楽団の演奏水準は非常に高く、その鄙びた味わいは東ドイツのオーケストラならではで、この曲にさらなる潤いを与えていることは言うまでもない。
音色にうるさいブルックナー・マニアも唸らせる名演と言えよう。
とあるサイトで「ブルックナーにおいては後期ロマン時代の官能的音楽が要求するような余りに大きいアッチェレランドやリタルダンドを私は戒めたいと思う。テンポの絶対的平均性のみがもたらしうる『ゆりうごく輪』をえがきつつ、ブルックナーの上昇は展開するのである。」と言うヨッフムの言葉が紹介されていた。
彼が1970年代にシュターツカペレ・ドレスデンを率いて完成させた2度目の全集では、テンポを大きく動かし、アッチェレランドやリタルダンドも駆使して、神々しいまでのクライマックスを築き上げる人に変わっていた。
20世紀を代表するブルックナー指揮者の終着点を確認するという意味でも貴重な映像記録である。
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