2022年11月15日
キタエンコ👱🏻ケルン・ギュルツェニヒ🪆ショスタコーヴィチ:交響曲全集👁️唯一のSACDバージョン🦄蘇る精妙なアンサンブル🎺オーケストラの色彩感🎻
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ドミトリー・キタエンコのショスタコーヴィチは、一部では爆演のように言われているが全曲鑑賞してみると決して力に任せた熱演という印象は受けない。
むしろ非常に理知的で、作曲家によって細部まで計算された音楽的な効果を冷徹なまでに表現し得た演奏である。
手兵ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の練り上げられた精妙なアンサンブルと総奏の迫力は言うまでもない。
ショスタコーヴィチのオーケストレーションには色彩感が溢れていて聴きどころのひとつだが、このSACD盤の音響効果は特筆される。
第5番『革命』の終楽章の緊張感と最後のティンパニとグラン・カッサの打ち込みは目の醒めるような低音を実現している。
第15番終楽章の中間部のブラス・セクションの咆哮では冷静にバランスを取ったサウンドを聞かせる。
コーダのパーカッションとチェレスタの手に取るような粒だった音質と潤いはSACDならではの真に迫る音響だ。
また第13番『バビ・ヤール』ではアルトニエン・コットチニアンの柔軟なバスの声を得て、かえって悲壮で感性に富んだ表現を可能にしている。
このセットの唯一の欠点は第7番がCD4のトラック4、5とCD5のトラック1及び2に分かれてしまったことだ。
これはカップリングの工夫によって編集できる筈だが、CD12の最後にこの企画についての関係者へのインタビューが17分程度収録されていて、そのために泣き別れ編集になったようだ。
12枚のハイブリッドSACDで、2チャンネル及びサラウンドにも対応している。
このボックスも残念ながら製造中止の憂き目に遭っていて、是非復活を期待したいセットのひとつだ。
ショスタコーヴィチの交響曲全集では唯一のSACDバージョンで、当初の企画から高音質による録音が計画されていた。
このうち第1、4、7、8、11、15番の6曲はライヴ録音だが客席からの雑音や拍手などが混入しないように巧妙に採音されているのも特徴だ。
演奏会場はライヴの方はケルンのフィルハーモニック、セッションはスタジオ・シュトルベルガー・シュトラーセで2002年から2004年にかけて集中的に行われた。
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