2023年03月22日
🎀ザンデルリング生誕95周年記念の2枚組🎁ブルックナー:交響曲第3番🎵マーラー『さすらう若人の歌』🎶ショスタコーヴィチ『ユダヤの民族詩による歌曲集』
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クルト・ザンデルリングの貴重なレコーディング3曲を収録した2枚で、1枚目がブルックナーの交響曲第3番ニ短調、2枚目にマーラーの『さすらう若人の歌』及びショスタコーヴィチの『ユダヤの民族詩による歌曲集』全11曲。
このCDも既に製造中止の憂き目に遭っているので、数少ない在庫を探すか、中古を漁るしか購入方法はない。
ブルックナーはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を振ったもので、1963年のステレオ録音だが音質は想像以上に良かった。
鮮明で臨場感にも不足せず、当時の東ドイツのレコーディングの水準の高さを物語っている。
ザンデルリングはブルックナーの大オルガン的なオーケストレーションを音楽の強力な流れと迫力で聴かせてくれる。
マーラーは1961年のセッションで若き日のヘルマン・プライを迎えた秀演。
プライはテクニック的にも全盛期で、弱音で高音の続出する第一及び第二楽章も表現豊かに歌い切っている。
この曲に関してはフルトヴェングラー、フィッシャー=ディースカウ、ウィーン・フィルによる1951年のザルツブルク・ライヴが若者の心理状態をつぶさに表現し得た、またマーラーの生きた世紀末をも想起させる得難い名演だと思うが、モノラル音源で音質にも若干不満が残る。
ここではプライの若々しさを前面に出した若者の苦悩と恋の終焉をサポートするザンデルリングの抒情性と巧みな音響効果が聴きどころだろう。
オーケストラはベルリン放送交響楽団。
最後のショスタコーヴィチはザンデルリング初演の作品で民族的なスケールが使われた異色の作品。
ザンデルリングがユダヤ人の血を受け継ぐことから、その解釈にも確信が感じられる。
1966年のステレオ録音でベルリン交響楽団とソプラノ、マリア・クロ―ネン、アルト、アンネリース・ブルマイスター、テノール、ペーター・シュライアーとの共演。
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コメント一覧
1. Posted by 小島晶二 2023年03月22日 08:01
ブル3しか聴いていないので,評価は遠慮します。長らくカペルマイスターを務めたコンビチュ二―死後翌年の演奏なので,古色蒼然とした堅実な演奏。その分面白味は乏しく,私なら後年のコンセルトヘボウ盤 (1996)かベルリン放送響盤 (2001)と採りたいと思います。カップリングがマーラーとショスタコーヴィッチの歌曲集とは異色ですね。
2. Posted by 和田大貴 2023年03月22日 09:30
残念ながら大手メーカーからはザンデルリンクにブルックナー交響曲全集の企画は持ち込まれませんでした。本盤はザンデルリンクならではの慈愛に満ちた演奏で、いつものように丁寧に1つ1つの音を作り上げていきますが、そういう音楽に対して謙虚な姿勢が感じられる一方で、音は確固たる自信にあふれています。とりわけブルックナーの第3番第2楽章は、人間の奥底にある穏やかな感情を静かに描いているように感じられます。数少ないマエストロの映像をして「何があってもびくともしない」という感じで、その安定感が聴き手に対し、大樹に寄り添うような安心感を与えてくれるのでしょう。