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ドヴォルザーク

2008年04月07日


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まろやかな美しさにあふれたドヴォルザークだ。

第8番はカラヤン3回目の録音だけに、前2回よりはるかに成熟した音楽で自然体といってよい素直さもある。

それだけに音楽的に純粋で、ウィーン・フィルの演奏も極上の一言につきる。

第1楽章の序奏から魅惑にあふれ、ウィーン・フィルが形容を絶するハーモニーを聴かせる。

カラヤンのつくり出す旋律線はくっきりとしなやかで、そのニュアンスは驚くほど豊かな味わいをもち、第2,3楽章での木管や弦のアンサンブルは極上の一言につきる。

終楽章も明快で見通しよく整頓されている。

「新世界より」はカラヤン5回目の録音で、オケはベルリン・フィルからウィーン・フィルに替わった。

録音、演奏ともに今回のものが一番素晴らしい。

細部まで神経の行き届いた名演で、5度までもこの人気交響曲にこだわって挑戦した意味がよくわかる。

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2008年03月06日


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さっそうたる演奏である。

彼は、とってつけたようなセンチメンタリズムを一切排して演奏している。

しかし旋律のカンタービレは、それもはっきりと効いていて、十二分に歌っている。

しかも旋律の歌わせ方が洗練されている。

オーケストラのアンサンブルにも破綻がなく、楽器の特質がくっきりと出て、曲が立体的にさえ聴こえる。

「新世界より」は新古典主義的で純音楽的ともいえる表現。

作品の古典的形式感をドイツ的伝統や民族的な性格と関係なく表出したトスカニーニの解釈は、以後この曲の演奏を一変させた画期的なものだったが、その新鮮さは今でも失われていない。

「ハーリ・ヤーノシュ」も端的な表現で一貫しており、作品のハンガリー的な民族性を赤裸々に表出している。

「モルダウ」は標題的な書法をあまり強調しない直截な演奏で、堂々とした巨匠的風格を表した好演だ。

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2008年02月09日


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手の故障から奇跡的な復帰をはたしたパネンカとスメタナSQの共演は1960年のシューベルト/「ます」以来。

同SQにとってはドヴォルザークは4回目、シューマンは2回目の録音で、その演奏は練りに練られている。

ちなみにドヴォルザークの第1回モノ録音のピアノがパネンカだった。

パネンカのピアノは、以前にも増して深い味わいがある。

スメタナSQも一段と円熟味を加えているが、この演奏の成功は、パネンカの力による部分が大きいといえる。

彼は、表面はすこぶるノーブルな音ながら、針のように鋭く光るものを内に秘めており、そこに室内楽の極意を見る思いがする。

ドヴォルザークでは、ボヘミア色を強く打ち出しつつも緊密なアンサンブルを保ち、シューマンでは、パネンカのピアノが一層の冴えをみせている。

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2008年02月05日


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スメタナ四重奏団5度目の「アメリカ」が素晴らしい。

彼らの演奏の中でもひときわ精彩にあふれた名演で、技巧的な面でも信じられないほどの充実ぶりだ。

しかし、この演奏で感動を受けるのは、そういう技巧の若返りもさることながら、表現が曲の隅々まで掘り下げられ、また練り上げられ、どの部分を取ってもこれ以外にやりようがないと思えるほどの説得力を発揮していることだ。

どの音もどの表情も、メンバーの血となり、肉となっている。

アルバン・ベルク四重奏団の「アメリカ」は最初から最後まで豊かなメロディ、親しみを感じさせるハーモニー、生気に富んだリズムが現れては消え、息つく間もないほど。

奏者と作品がまさしく一体となっていることを、聴き手に強く意識させる演奏ぶりである。

「わが生涯より」は内省的な傾向をより強めているが、情熱をほとばしらせた演奏である点は「アメリカ」と同じである。

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2008年01月12日


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カラヤン盤は両曲ともベルリン・フィルの弦セクションのもつ豊麗な表現力を駆使して、実に磨きあげられた演奏に仕上げている。

チャイコフスキーは、この曲のもつロシア的な情感の表出の仕方も格段に深く、カラヤンの綿密な棒さばきが素晴らしい。

ドヴォルザークの方も劣らず卓出した演奏。

とにかくカラヤンはこうした民族色豊かな作品を指揮させると無類のうまさをみせる。

コリン・デイヴィス盤はバイエルン放送響の弦楽器群の魅力を存分に引き出した演奏だ。

スケールも大きく、内容的にも充実し、指揮者の円熟の境地を示して聴きごたえがある。

特にドヴォルザークが良く、思い入れたっぷりな表現で旋律を歌わせる第1楽章、多少遅めのテンポでロマンティックな詩情を丹念に表出した第3楽章など、ヴェテランの棒さばきが光る。

チャイコフスキーでは独特の憂愁を余すところなく描出している。

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2008年01月04日


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3点ともセルの傑作であり、ドヴォルザークを愛していた指揮者らしく、セルとしては類例がないほどのびやかな表情で、共感豊かな演奏を聴かせる。

民族的な旋律はその性格を保ちながら美しく磨かれており、独自の整頓されたアンサンブルが精緻な表現をつくっている。

まさにこれらの曲の規範ともいうべき名演である。

「モルダウ」もこの曲では1,2を争う名演。抒情的な表情の美しさが光っている。

「新世界」はいかにもセルらしく虚飾のない表現である。

端正で清潔で、しかも直截な表情の中に豊かな感興が示され、メロディも歌うべきところは存分に歌っている。

セルにしては珍しくルバートを多用しているのも、曲に対する共感の深さを物語っている。

両端楽章での構築力の強さと劇性の明快な整理も特筆すべきもの。

「スラヴ舞曲」の演奏を聴くと、セルがいかにドヴォルザークの音楽を大切にしていたかがよくわかる。

どの曲も、民族の血の躍動するよう熱っぽい演奏で、特に第1,8番のような激しい情熱をもった曲にそれがはっきりうかがわれる。

また第2,13番では緩急の起伏を大きくとり、設計の巧みな演奏を行っている。

クリーヴランド管弦楽団の技術も実に優秀だ。

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2007年12月31日


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第2回目の録音では、ロストロポーヴィチのソロが実に素朴でありながら、音楽の質としては純粋で、ターリッヒと完全に呼吸が合っている。

これこそ味わい深い、本物の音楽だ。

第5回目の録音では、ソリストと指揮者、オーケストラが四つに組んで、お互いに負けじと火花を散らす有様が目に見えるような快演だ。

ロストロポーヴィチの朗々たる音色とスケール雄大な弾き方は比較するものとてなく、場合によってはオーケストラを前面にたてて自らは引っ込む読みの深さも彼ならでは。

カラヤンも一歩も引けをとらない。これだけ演奏効果のある伴奏も滅多に聴けない。

第7回目の録音はロストロポーヴィチ会心の円熟作である。

肩の力が抜けている分、音がぐんぐん伸び、低音の朗々たるところなど、まさに比類がない。

多用されるピアニッシモも人工的にはならず、表情の魔法のような変化が詩的で、聴く者の心を打つ。

小澤の指揮は音楽性が最高で、伴奏者としても敏感だ。

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2007年12月14日


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ドヴォルザークの交響曲全集(あわせて序曲集も)はスウィトナーがお薦めである。

全曲を通して、スウィトナーの演奏は、旋律をしなやかに歌わせ、ドヴォルザークの交響曲を見事な平衡感覚で再現している。

適度に劇的であるが誇張のない表現でアンサンブルもよく整っている。

どの曲もドイツの古典交響曲を演奏するのと同じ姿勢で着実にまとめられ、しかも温かみのある音楽に仕上がっている。

特に第3番と第6番がすぐれた演奏だ。

上記の「新世界より」は確信に満ち、どっしりと腰の坐った大きな表現。

耳につきすぎるこの曲も、ふだんと違った大交響曲の偉容をもって迫ってくる。

この指揮者特有の柔らかい音楽のこなし方の上に、毅さ、激しさも加え、しかも一貫して流れゆく流動感はいっそう豊かである。

第2楽章の有名な主題は極めて沈潜的な深い心情を湛えて歌いつくされ、中間部は華やいだ色彩で盛り上げる。

「新世界より」はディスクも多く、古くはトスカニーニから、ケルテス、カラヤン、ノイマンと名盤が多い。

しかし隠れた名盤に光をあてることもこのブログの意義である。

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