バルトーク

2009年05月06日


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ブーレーズはこのところ、随分角がとれておとなしくなった。

このバルトークも極めて洗練された表現で、モダン・ミュージックの古典のようにアプローチしている。

だがスコアの読みの深さはさすがで、曖昧な箇所は一つもなく、書かれてある音符はすべて耳に届く趣向になっている。

ブーレーズの演奏は、バルトークの管弦楽法の精髄を示すような、極めて緻密な曲づくりである。

それぞれの楽器の動きが細部にいたるまで明晰に描かれ、立体感のある音響空間を作り出している。

まるでスコアの透かし彫りをみるような演奏で、いかにも頭脳明晰なブーレーズらしい表現だ。

そして何度かおとずれる恍惚とした美しい響きの瞬間。すみずみまで現代的な感覚を生かした演奏といえよう。

シカゴ響のアンサンブルも精緻そのもので、その腕の確かさはまさにこの曲向きというべきだろう。

その名人芸的なアンサンブルも緻密この上なく、コンチェルタンテな部分では、このシカゴ響の凄さが威力を発揮する。

現時点でのリファレンスともいうべき、揺るぎないスタンダードといえるだろう。

組み合わされた《4つの小品》も、見事というほかはない名演といえる。

円熟のブーレーズの手にかかると、実に都会的に洗練された音楽になってしまう。

歳月の経過を、改めて感じさせる1枚ではある。

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2009年01月25日


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アルバン・ベルク四重奏団が、その創設以来20世紀の音楽に大きな関心と注意を払ってきたことは、どなたにもご存じだろう。

今や現代作品のみをレパートリーとする弦楽四重奏団もあるご時勢だが、古典から同時代のものまでを等しく高い水準でこなせる団体となると、やはり彼らをおいて他にはない。

そうした彼らの現代音楽に対する実力の程が遺憾なく発揮されたのが、20世紀最高の弦楽四重奏曲集であるバルトークの全集である。

彼らが満を持して取り組んだこの全集は同曲盤のなかでも傑出したものといってもさしつかえないだろう。

まずその第一の特色は、一音符たりとも疎かにしない精密な合奏力と、眼光紙背を貫くばかりに研ぎ澄まされた全く隙のない解釈である。

そこにはバルトークが作曲時に置かれていた極限状況をまのあたりにさせるような、厳しくも鮮烈な表現が満ち満ちている。

しかしそれと並んで忘れてはならないのは、やはり彼らが持つ音色である。

核心に切り込んでくる厳しいスタイルは、とかくすさんだ響きを生み出しがちだが、かれらの響きはアタックの強い、鋭い切れ味を持ちながら、決してしなやかさを失わず、どこまでも透明感と温かさを兼ね備えている。

それがこの演奏に人間的な温もりを与えている最大の要因だろう。

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2008年08月09日


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ワシントンにおけるシゲティとバルトークのコンサートのライヴであるこの録音は、情けないほどに音質が悪く、最も肝心なバルトークのピアノの音色がかなり不鮮明で、ゴボゴボと割れがちであり、何とも耐え難いものとなっている。

しかしこの録音は、そうした劣悪な条件にもかかわらず、それが残されたことに深く感謝したい桁はずれの内容を示している。

ここで第1に指摘されることは、極限まで磨きあげられたシャープでしなやかなバルトークのピアニズムが、奇跡的な純度の高さを誇る音楽表現を可能たらしめている事実である。

そしてこれに触発されたシゲティも、情熱をみなぎらせ緊迫した名演を展開しているのである。

「クロイツェル」は音楽の流れがあまりよくなく、決して好演とはいえないが、バルトークの2曲はさすがに面白く、シゲティのヴァイオリンも冴えている。

この演奏を聴くと、表現の精神が現代の演奏よりも幅広く、表情も多様だ。

ドビュッシーのソナタも、シゲティの鋭く研ぎ澄まされた表現が興味深い。すこぶる硬質なドビュッシーだが、作曲者がこの楽器に託したイメージの芯のところを確かに捉えているようだ。

バルトークのヴァイオリンとソナタのためのラプソディ第1番はシゲティに捧げられている。両者はハンガリー以来の親友だった。

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2008年08月03日


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私は、フリッツ・ライナーこそはこれまでの最高のバルトーク指揮者であったと考えている。

そしておそらくライナーが理想とするオーケストラは、トスカニーニ/NBC交響楽団ではなかったかと推測するが、それに最も切迫する水準に達していたのは、ライナー/シカゴ交響楽団であった。

バルトークの2大名曲を収めたこのアルバムは、その名作の最も本来的でオーソドックスな名演であるばかりでなく、ライナー/シカゴ響の奇跡的な至芸をこれ以上なく痛感させてくれる名演でもあるのだ。

この演奏では、単にアンサンブルがパーフェクトなだけでなく、テンポとデュナーミクの設定や音色配合のバランスもがパーフェクトであり、さらにそのアーティキュレーションの精確さもが非の打ちどころのないものになっている。

精巧なバトン・テクニックと鋭敏な耳を兼備したライナーは、それを駆使して希代のヴィルトゥオーゾ・オーケストラといえるシカゴ響からそのあらん限りの力を引き出し、この2曲のほとんど理想に近い再現を可能たらしめているのである。

「オーケストラのための協奏曲」では、厳しくコントロールされた表現のなかで繰り広げられるブリリアントな管楽器の名人芸などが素晴らしく、「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」では、その完璧で研ぎ澄まされた表現から滲み出る恐ろしいまでの緊迫感の持続が聴き手を圧倒する。

この2曲の再現の規範となり得る演奏であり、今後も不滅の価値を失うことはないだろう。

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2008年06月18日


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ショルティのマジャール人としての血の躍動が全編にあふれているかのような名演である。いずれもショルティらしい極めて精緻な表現で、どの曲を聴いても彼の意思の強さを感じる。

なかでも特に光っているのは「管弦楽のための協奏曲」で、実に彫りが深く、ひとつひとつの音に血が通っているかのように音楽が豊かに息づいている。

第4楽章など、実にハンガリー的な色彩を濃厚に表出しているし、終楽章も、力感と生命力にあふれた表現で、シカゴ響のもつ色彩感を巧みに生かし、鋭い切れ味で曲の核心に迫っている。

「中国の不思議な役人」は今まで聴いたことのないほど優れた演奏で、ショルティが一分の隙もなくまとめている。指揮者とオケが完全一体となった、手に汗がにじむような熱演だ。

「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」もこの曲の演奏の最右翼というべきもので、第2,4楽章における一種の緊張感と、マジャールの血の踊りは大変なもの。

「ディヴェルティメント」は暗い陰りを巧みに表出した第2楽章が素敵だ。

「舞踏組曲」は若い頃バルトークから直接教えを受けているショルティの、民族的な感覚の発揮された演奏で、ハンガリー的な色彩感と土俗的な香りを大変鮮やかに表出している。どの曲にも、ハンガリーの土の臭いが強烈に感じられる名演奏だ。

いずれも強烈な説得力で聴き手に迫る音楽である。

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2008年05月27日


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どの曲も味の濃い表情と音色で訴えかける名演だ。

これほど雄弁に粘りを感じさせる、人間味たっぷりなメニューインも珍しい。

そこには赤裸々な生々しさがあり、振幅の大きいフレージングがあり、深い温かさと聴く者の体を包み込むような心の歌がある。

楽器も充分に鳴り切っており、終始100パーセントの表現が聴かれる。

メニューインは、バルトークのヴァイオリン協奏曲第2番を最も得意なレパートリーのひとつとしており、フルトヴェングラーの指揮による録音も名演だったが、これはさらに12年後の録音だけに、彼の円熟した、内面的に深い表現が魅力となっている。

ヴァイオリン協奏曲第1番のメニューインの演奏は、外面的な派手さをねらわず、やや淡白ともいえる表現で、じっくりと音楽の内面を深く掘り下げながら、曲のもつ詩情を表出している。

ドラティのバックも秀逸で、その卓抜な棒は素晴らしい。

バルトークの民族色を越えた、より普遍的な情熱がここにはある。

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2008年04月22日


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ブダペストのフランツ・リスト音楽院でコダーイやバルトークに師事したドラティは、さすがに恩師の作品の演奏に対する理解力はたいへんなもので、天下の銘器コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮したこの録音は、ドラティの数多いアルバムの中でも屈指の名盤といって良い。

彼は過去の実績からいっても不思議とこのオーケストラとウマが合う。

マジャール的な味を全篇に色濃く出し、異常なまでに密度の高い演奏を繰り広げる。

細部までよく考えられており、各部分の描き分けの適切さに舌を巻く。

素晴らしい立体感だ。

特に第3楽章から第4楽章にかけての盛り上げ方にうまさには圧倒される。

息を呑むような演奏とはまさにこのことで、独奏者たちの腕も冴えわたっている。

ハンガリー的情感を見事に表出している点も、他の名盤にはない味わいだ。

もっと派手な音や、直截的な迫力を楽しみたければ、ベルリン・フィルやシカゴ響などのものを聴けばいい。

そうした演奏から聞こえない音楽を聴きたいのなら、ドラティのCDに第一に指を屈する。

苦みのうまさがわかる、微妙な味の違いのわかる大人のための音楽だ。

その他の曲も屈指の名演で、ハンガリー人としての血のたぎりさえ感じさせる。

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2008年04月21日


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ピアノがこれほどの幅広い表現力をもっていたのかと、驚かされる演奏である。

すこぶる激しく変化する曲想を、極めて冷静な目で捉え、知的に表現しているのが特徴だ。

この演奏が録音された1977年というと、ポリーニは積極的に現代作品を演奏会のプログラムのなかに取り入れ、実に鋭く研ぎ澄まされた感覚で、精度の高い演奏をおこなっていた。

ここでも、彼のピアノは強靭かつ繊細で、たいへん構築がしっかりしている。

第1番は、まさに《壮絶》ともいえる独特の熱気と迫力に溢れた演奏で、民族色を色濃く表出したオケをバックに、ポリーニの火を吐くような熱演が繰り広げられる。

そのテクニックの冴え、曲に対する切り込みの鋭さは他に類を見ない。

第2番も感動的な名演で、ポリーニの気迫がひしひしと感じられる。

ことに強烈なリズムで、ピアノを打楽器的に扱った第3楽章は圧倒的で、心・技ともに揃った秀演だ。

アバドの指揮も絶妙で、まことに緊張度が高く、バルトークの音楽特性を万全に表出している。

シカゴ響の洗練された響きは、他のオーケストラからは、なかなか求められない。

ピアノの音を鮮明に捉えた録音も光っている。

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2008年01月07日


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私はこのブログでいわゆる定評のある名盤というものを再確認するとともに、世間一般の評価と違うものを挙げて問題提起しているが、これもそのひとつ。

評論家先生方はみんなアルバン・ベルクだ。

しかし以前仲間と聴き比べした時、明らかにジュリアードの方がバルトークの核心に鋭く切り込んでいたように、はっきり聴こえた。

そのジュリアード弦楽四重奏団はバルトーク弦楽四重奏曲全集を3度録音しており、最も迫真力があるのは第2回目の録音だが、今は入手難ゆえ、第3回目の録音をここでは紹介する。

ジュリアード弦楽四重奏曲のバルトーク演奏は、緊密なアンサンブルを組みながら情緒面も尊重している。

その各人の情緒表現に統一があるために、どの曲も強い迫力を帯びた、表現力に富んだ音楽となり、6曲通して聴いてもマンネリズムにおちいることがない。

情緒だけを大切にするのではなく構成もはっきりしているので、どの曲も聴きごたえ十分だ。

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2007年12月15日


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カラヤンは若い頃からバルトーク作品の研究と演奏に情熱を燃やし続けた人で、「管弦楽のための協奏曲」を3度録音しているが、上記のCDはそれぞれ2度目(グラモフォン)と3度目(EMI)のもの。

「弦楽器、、打楽器とチェレスタのための音楽」も3度録音しており、それぞれ3度目(グラモフォン)と2度目(EMI)のもの。

両曲ともに曲の核心に鋭く迫った完成度の高いもので、カラヤンはひとつひとつの音に精魂を込めながら、一分の隙もなくまとめている。

この精緻を極めた構成力と色彩豊かな表現力は、彼ならではのものだ。

グラモフォン盤は、カラヤンのバルトークに対する敬愛の念が強く込められており、演奏の質は極めて高い。

ことに「オケコン」の第4,5楽章は凄く、聴いていると恐怖に似た感動を覚える。

「弦、チェレ」の第1,2楽章なども秀逸である。

EMI盤はバルトークの曲の核心を鋭くついた極めて完成度の高い演奏だ。

カラヤンは曲の隅々にまで神経をゆき届かせながら全体を精緻に仕上げており、そこには一分の隙もない。

「オケコン」での、特に旋律を絶妙に歌わせた第3楽章、彫りの深い第4楽章の卓抜な表現は他の追随を許さない。

いずれもカラヤンのバルトークに対する傾倒の深さがはっきりと示された名演といえる。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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