ラヴェル

2009年06月01日


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ロジェの演奏はあくまでもフランス趣味で、どこまでもエレガントで都会的、洗練の極を示した美しいものである。

ロジェは、落ち着いた表情で弾きすすめながらも、フランス人ならではの、詩情豊かで、センスのよい表現を行っており、強くひきつけられる。

全体に軽いタッチで、ロジェはラヴェルの感覚的な洗練性を描き上げる。

ピアノ協奏曲はこれぞラヴェルと言いたい美しさだ。

ロジェの抑制の美学はこの曲にぴったりだが、それだけに終わらず、洒落たデリカシーや粋なリズムが恍惚の一時を約束してくれる。

技巧の冴えと情熱では、アルゲリッチに一歩を譲るが、洒落たエレガンスにおいては、むしろロジェの方が上といえよう。

特に第1楽章第2主題や、第2楽章の深沈とした美しさは特筆に値すると思う。

左手のためのピアノ協奏曲も小味なはかなさが詩情を呼び、まことに品がよい。

この曲のジャズ的な要素や、ラヴェル独特の情感といったものを、ものの見事に表現した演奏で、ピアノの響きの美しさも秀逸だ。

デュトワの指揮はさらに見事で、そのチャーミングなパリの哀歓の表出は、現在彼以外の指揮者では成し得ないだろう。雰囲気のよい音楽をつくりあげていて素晴らしい。

またデュトワ指揮のモントリオール響が、実に美しい管のソロを聴かせ、ラヴェルのオーケストラ・パートの魅力を改めて示している。

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2009年04月24日


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ラヴェルのピアノ曲全集には名盤が数多いが、その中で一つの古典といえるものが、このカサドシュ盤である。

いかにもカサドシュが手中にしきった作品の演奏だという信頼感が、冒頭から聴き手をある世界へと誘う。

客観的なスタンスに立ちながらも、粒だった明晰な音の響き、そのつながりの生み出す微妙なニュアンスによって、きわめて自然な流れのうちに実に美しく生き生きとした表情を作品から引き出しており、全体に端正で高貴な品格を感じさせる演奏となっている。

《スカルボ》や《道化師の朝の歌》のような、ともすると技巧の誇示に陥りやすい曲においても、カサドシュは名技を名技と感じさせない洗練された味わい(そのように弾くことのほうがはるかに難しい)でもって聴かせている。

ここでは完全に自然体で作品にアプローチし、それを自らのものにできた時代の、円満で至福に満ちた音楽のあり方を聴くことができる。

ラヴェルのエスプリもウィットも決して誇張された形ではなく、生き生きと息づいており、ほとんど同時代を生きた作曲家への、解釈という行為を超えた共感がある。

夫人との共演によるデュオと連弾の作品も魅力的だ。

当全集はカサドシュの代表的な名盤として知られてたが、彼はステレオではついに再録音しなかった。

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2009年04月09日


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1904年にパリで生まれたヴラド・ペルルミュテールは、13歳でパリ音楽院のコルトーのクラスに入り、15歳でプリミエ・プリ(一等賞)を得たピアニストだが、1927年、彼が22、3歳の時に約半年間にわたって、週に数回のラヴェルの特別レッスンを受けた唯一人のピアニストとして知られている。

ラヴェルは自分の音楽をどのように演奏すべきかを確信を持って指示する作曲家だったと、ラヴェルの親しい友人だったモランジュが語っているが、ペルルミュテールは、そうしたラヴェルから、まだ2つの協奏曲は書かれていなかったが、それ以前のほとんどの作品についての作曲者の注解を、具体的な運指法やペダリングに至るまで体得する機会に恵まれた訳だ。

もちろんそれは、ペルルミュテールがラヴェルの意図を実現する演奏者としての技術を持ち合わせていたからのことだ。

そのペルルミュテールがラヴェルのピアノ曲をまとめて収めたものには、2種の録音がある。一つは1970年代録音の英ニンバスによるステレオ盤で、もう一つがこの米ヴォックス原盤による1950年代のモノラル盤だ。

ニンバス盤はさすがに時としてタッチに往年の冴えがないのが惜しまれるが、それでもきらきらした色彩感にあふれた音がしっかりと捉えられた録音となっている。

それに比べると、このヴォックス盤は録音状態が良好とは言えず、もどかしさがつきまとうが、それでも、テンポや間の取り方など、参考になるものも多い。

一応全集とは銘打たれているが一部の曲は省略されている。また、2つの協奏曲は彼の唯一の録音と思われる。

古典派の音楽などとは異なり、この時代の作品になると、こうした<証言>がレコードとなっているから、その次世代が、自身のスタイルを確立するのを聴く楽しみも増えるわけだが、とりあえずはペルルミュテールの演奏を聴いておきたいものだ。

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2009年02月10日


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音の響きをきわめて大切にするアンセルメにとって、ラヴェルの作品はまさに打ってつけだが、ここに収められている演奏を耳にすればそれが納得できよう。

アンセルメのラヴェル演奏は、作曲者の要求している冷たく透明な、そして絹のスカーフのように滑らかな音色を実に巧みに再現しているし、どの曲もアンセルメ一流の巧みな演出と絶妙なリズムの扱いに魅了されてしまう。

1曲1曲を入念・精巧に仕上げた「クープランの墓」、そして高雅な詩情にあふれた「亡き王女のためのパヴァーヌ」は特に素晴らしく、アンセルメの本領が遺憾なく発揮されている。

「スペイン狂詩曲」は一見冷たい肌ざわりながら非常に精緻で華麗な音色はラヴェルにまったくふさわしく、スペイン情緒たっぷり。

「ラ・ヴァルス」と「ボレロ」では、怜悧な中にも退廃的な雰囲気をよくただよわせている。

「ダフニスとクロエ」はなんというデリカシーだろう。これこそ詩情というのだろうか。

「夜明け」の濡れた情感とみずみずしさなど絶品だ。

切ないくらい美しいソロ・ヴァイオリン、鮮明な色彩感を失うことなく、なおダイナミックな中に柔らかさを保ち続けるフォルティッシモなど、まさにアンセルメの最高潮を思わせる。

最高の境地に達した演奏といえるだろう。

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2008年12月03日


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コルトーはペルルミュテルについてこう言った。

「彼はたいへんピアノ音楽に造詣が深い。リストやラヴェルの、まばゆいばかりに響きわたる作品の演奏にかけては、天下一品である。」と。

ペルルミュテルは、コルトー、カサドシュ亡き後のフランス・ピアノ界を代表する名ピアニストであった。

ペルルミュテルは、ラヴェルに師事し、彼から直接教えを受けたピアニストである。だからただ単にラヴェルの音楽を得意にしているのとは大いに違うわけで、ラヴェル直伝の模範的な演奏をおこなう。

この人には1950年代の前半に録音した、モノーラル録音のラヴェルの「ピアノ曲全集」があり、それも名盤として知られているが、1973年のステレオ録音ではペルルミュテルの華麗で色彩的な音色と軽妙さを失わない響きが、いっそう鮮明に収録されているのが魅力だ。

この演奏は、そうしたフランス人的な感覚と、ラヴェル直伝の解釈に裏付けられたもので、多彩な音色の変化と鮮やかな技巧で、各曲を幻想的に弾きわけている。

長年にわたってラヴェルを弾きこんできた確信と、作品への愛着が感じられる演奏で、70歳近くになってからのものだが、タッチに乱れもなく、ラヴェルの繊細で華麗な世界を忠実に再現している。

繊細に張りめぐらされた音の幕を、細部に至るまで鮮やかに再現する手腕に加えて、爽やかな生気溢れるリズム感とみずみずしい情感を湛えている。

特に「夜のガスパール」は見事で、右手と左手の分離がはっきりとしている「水の精」と、劇的な鐘のあらわしかたのうまい「絞首台」はことにすごい。

トータルな表現として、ラヴェルの音楽の本質をこれほど見事に捉えた演奏は少ない。まさにいぶし銀のような上品さと美しさだ。

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2008年09月27日


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デュトワとモントリオール響は、現在本場のフランスでも失われてしまった本格的なフランス風の演奏を、遠く離れたカナダのケベック州に甦らせたのである。

かつてのクリュイタンスの録音にも負けない高雅なエスプリとしっかりとしたデッサンは、ほぼ理想に近いラヴェルへのアプローチといえる。

特に、全体のメロウな響きの中に明晰なソロ・パッセージが浮かび上がるところなど、かつてのモントゥーの解釈に最も近いだろう。

いずれも極めて質が高く、ラヴェル固有の透明で冷たい輝きをもった音色と、華麗かつ色彩的なオーケストレーションをあますところなく表出している。

特に「ダフニスとクロエ」では、「パントマイム」から音楽を次第に高潮させ、熱狂的な「バッカナール」でクライマックスを築くあたりは、すこぶる感動的だ。

「マ・メール・ロワ」はメルヘンの世界を精緻に描き上げた佳演で、ことに「一寸法師」や「パゴタの女王レドロネット」など、幻想的で詩情豊かな表現にはほれぼれとしてしまう。

その他の曲もラヴェルの音楽固有の色彩的でしかも黒光りする音色の美しさを余すところなく表出した名演奏。

これは1980年代にもこれだけのラヴェル演奏があったのだという、21世紀への強力なメッセージであり、ラヴェルの音楽を愛好する人たちにとって垂涎のディスクといえよう。

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2008年07月26日


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ミュンシュは1949~63年までボストン交響楽団の常任指揮者として活躍。1967年にパリ管弦楽団の初代音楽監督に迎えられたが、翌年演奏旅行中に急逝。彼の特にフランス音楽に示す洗練された芸術は、今も共感を呼んでいる。

ミュンシュ最晩年の貴重な遺産であるこの盤は、ラヴェルの粋をつくした管弦楽曲の数々を集めたもの。

パリ管弦楽団の魅力をあますところなく伝えており、純度の高い輝きと色彩美に満ちている。

ラヴェルの音楽に精魂こめて取り組んでいた老ミュンシュの真摯な姿勢に心打たれる名演揃いである。

特に「ダフニスとクロエ」は、曲の細部にいたるまで充分に磨き抜かれた音の綾織りの美しさに魅了される。

「夜明け」は、いくぶん速めのテンポで潮のように音楽を盛り上げ、「全員の踊り」は、剛直な表現で圧倒する。

「ボレロ」もテンポ設定が実にうまく、ソリストたちの技術も優秀で、華麗な音の絵巻を繰り広げている。

「スペイン狂詩曲」も緻密なニュアンスに溢れ、情感豊かに描かれている。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」も高雅な詩情に満たされた名演だ。

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2008年07月20日


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ミケランジェリ37歳時の録音。ミケランジェリが1957年にイギリスを訪れた際に録音した初のステレオ録音で、ラヴェル、ラフマニノフともにミケランジェリ唯一の録音である。

ラヴェルはまだしも、ラフマニノフは4曲中最もマイナーな第4番という奇抜な選曲。そこがいかにも奇才ミケランジェリらしくていい。

ラヴェルは、今なおハッとするような感覚をもたらしてくれる演奏で、両端楽章を完全無欠のテクニックで圧倒したかと思うと、第2楽章では絶妙のアゴーギグで揺さぶりをかけて翻弄する。

そのしたたかな表現力は単に奇を衒ったものではない。緻密で巧妙な頭脳的プレイでありながら、それをごく自然に聴こえさせてしまう至芸なのである。

冴え冴えとしたタッチの中には玄妙な味わいがあり、鋭利な音運びの中に繊細なうつろいがある。

知的で人工的な音楽でありながら、その精巧な美しさで聴き手の血を泡立たせるような魔力を、ミケランジェリのピアノは持っているのだ。

ラフマニノフにおけるヴィルトゥオジティにも感嘆させられる。一見煩雑な内容の超絶技巧曲と思われる作品が、別曲と見紛うほど理路整然と聴こえてくる。

ヴィルトゥオジティと知性、そして強烈な彼の個性を痛感させる演奏である。

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2008年07月15日


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エルネスト・アンセルメは優れた才能と精緻な美的感覚をラヴェルの音楽において最高度に発揮した指揮者であった。

才人ラヴェルの感受性豊かで高度に洗練された童話風な幻想的オペラ・バレエ「子供と魔法」の録音はその結晶ともいうべき名盤。

ラヴェルの精緻な音楽と感覚を、これ以上考えられないほどデリケートで、しかも正確なタッチで完璧に描きつくしている。

当時のフランスにおける粒選りの歌手たちを揃え、ナイーヴな夢と憧れを秘め、ウィットに富み、多彩な音色とセンシティヴな音響効果に満ちた楽しいメルヘンを、アンセルメはデリケートに絶妙なタッチで美しく変幻自在に描き上げている。

歌手たちの中では、お姫さまとリスを歌うダンコ、羊飼いの少女と雌猫とこうもりを歌うトゥレーヌ、ティー・ポットと小人の老人と雨蛙を歌うクエノーが、特に優れている。

アンセルメのラヴェルの中でも特に優れた名演だ。

「スペインの時」におけるアンセルメの指揮は、リズムの感覚の鋭さと洗練された音色への卓越した敏感さがそのままラヴェルの音楽のドラマとなって表れている。

歌手陣もよく歌っており、特にレーラスの男らしい歌い方が印象的である。

このディスクは1953、54年の録音だが、信じられないくらい音の状態もよく、ラヴェルの精妙な音楽と舞台的な効果が十分に楽しめる。

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2008年05月28日


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いずれもよく彫琢された演奏。

精緻に計算された無駄のない表現で、音の響きも美しい。

「展覧会の絵」でのカラヤンは、ラヴェルのオーケストレーションのもつ音色美を尊重しつつ、原曲のロシア的情感を豊かに表出している。

ラヴェルの、色彩的な音色美を尊重しながらも、焦点をムソルグスキーの原曲にあてている演奏だ。

「ビィドロ」を聴いてみればよくわかるように、原曲のもつ、あのロシア的情感を、実に豊かに表出している。

全体にテンポを遅めにとり綿密な設計で仕上げた演奏で、細部まで彫琢された凄さには驚かされる。

圧巻は終曲の「キエフの大きな門」だ。やや遅めのテンポで、悠然と旋律を歌わせた秀演である。

「海」は寸分の隙もない精緻な演奏だが、カラヤンの体質のためか少々粘りが強く、デリケートな音の綾織りにやや乏しいのが惜しまれる。

「ボレロ」は秀演で、カラヤン一流の巧緻な演出が光っており、1966年の演奏だが、3度目の録音と遜色のない名演だ。

各プレーヤーのうまさもさることながら、ラストの盛り上げ方のうまさに感嘆する。

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2008年05月15日


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アルバン・ベルクSQのレパートリーはドイツ・オーストリアの作品が中心で、フランスものはこれが初めてだった。

ベートーヴェンとか新ウィーン楽派とかを聴いたあとの録音だったので、興味をそそられた反面、どこかミス・マッチのような感じを抱いてディスクをセットした記憶がある。

でもそれはこちらの的外れな偏見だった。あいかわらず雄弁な語り口だが、ドイツ系の作品演奏のときとはまた違った、粋な面をも見せる好演。

彼らのユニヴァーサルな適応力を感じさせる演奏だった。

全体にきびきびとした明快な演奏である。アンサンブルは精緻で、バランスもよく、その艶やかな音色には魅了される。

構成的にもがっしりとしていて表情も豊かだ。

どちらかといえばラヴェル寄りの解釈だが、ドビュッシーもいつもながらの磨き抜かれた技術と感覚、それに強靭なリズムで実に精密に演奏する。

その上で、メカニックな冷たさの一歩手前で踏みとどまる好演。

ラヴェルは理想的な出来映えで、曲のすみずみまでシャープに捉え、ラヴェルの色彩と幻想を伴った音楽作りをあますところなく表現する。

細部まで精密に造型しつくされた演奏は、この作品の解釈に新しい領域を拓いた画期的なものである。

とりわけ第3楽章の幻想と、弱音の扱いは特筆に値する。そのきわめて幻想的で、典雅な響きはたいへん美しい。

ここには、ラヴェルのもつ音楽特性が十二分に生かされている。

性格的にはかなり異なる作品だが、繊細な詩と幻想的な美しさにあふれたこの2曲は、近代フランスの室内音楽史に燦然と輝く逸品となっている。

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2008年05月05日


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アルゲリッチのラヴェルを集成した徳用盤。どの曲の演奏もラヴェルの音楽のもつ青白い詩情をぞんぶんに表現している。

ピアノ協奏曲はアルゲリッチの才気煥発なピアニズムが目いっぱい詰まった魅力的な演奏。

フランス的な情緒とか味わいとかに振り回されず単刀直入に切り込んでいき、自ら感じとったものを直截的に表現する。アバドのバックもうまい。

第2楽章では、静かに歌われるカンティレーネに、はっとするほど透き通る純度の高い感性が見え隠れしている。

アルゲリッチの鋭利な感性から生まれる、自由に飛翔するファンタジーと独特の幻想性が「夜のガスパール」をとりわけ魅力的なものにしている。

十分に放恣で狂乱的であると同時に、構成上のバランスも素晴らしい、完成度の高い演奏だ。

細部の仕上げが極めて細かい。奔放さという点ではフランソワと同様だが、彼女の演奏は、さらに明快率直である。ことに〈スカルボ〉は抜群だ。

またアルバム全体を貫く洗練された気品のあるピアニズムによって「夜のガスパール」は、よりいっそうたおやかな光のきらめく衣装をまとうこととなった。

「ソナチネ」は感情表現の大きな、そして熱っぽい演奏で、全編に生命力が躍動している。その明快なタッチと音色の美しさは何とも素晴らしい。

直線的な流れをもった、すこぶる輝かしい表現で、美しい仕上がりとなっている。

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2008年05月04日


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ギーゼキング唯一のラヴェル録音である。

清澄で、主知的で、精妙さを重んずるラヴェルの世界は、ギーゼキングが持てる力を発揮する格好の場となった。

ギーゼキングの演奏スタイルに対し、よく「新即物主義」といわれるが、これは「楽譜を通じて作曲家の真意を読み取ること」という意味だ。

彼が弾くラヴェルは、ただ単に機械的な正確さを追求したのではない。

それは、本来楽譜が要求していない《音楽外》の要素を排除し《音》だけによる表現に立ち戻る意志を示した演奏といえよう。

彼はラヴェルの作品から、その意味を失わない極限まで《音楽外》的な要素をとり省き、そこからまさに《音》でしか表現できない表現が立ち現れる。

ここには決して雰囲気で騙さない演奏と表現があり、確実に作品の実体の存在を実感することができる。

特に「夜のガスパール」と「鏡」で彼を凌ぐ演奏はない。

ラヴェルの存在感を強く意識させてくれる演奏。

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2008年03月05日


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これらの演奏はテンポ設定が実によく、その彫琢された音の響きは大変美しい。

ことに「ボレロ」は秀抜で、ややゆっくりとしたテンポで始め、クレッシェンドしていくに従って、しだいにテンポを速めながら華麗な音の絵巻を繰り広げていくあたり、ミュンシュならではの卓抜な手腕である。

また「マ・メール・ロワ」も精緻にまとめた秀演である。

「ダフニスとクロエ」もミュンシュ一流の造形のしっかりとした精緻な表現でが素晴らしく、綿密な設計と演出には舌を巻く。

精密機械のようにスカッとしたまとまりと、色彩感と柔軟さは、ラヴェルの音楽を底の底まで知りつくしたミュンシュと、完璧な技術を誇るボストン響との名コンビならではのもので、もしこれがほかのオーケストラだったら、これほど彫琢された見事な演奏にはならなかったであろう。

それに、何と新鮮で若々しい、そして圧倒的な迫力なのであろうか。

神秘的で情感豊かな「夜明け」や、熱っぽくダイナミックな「全員の踊り」など、ミュンシュならではの至芸である。

こうした演奏を聴いていると、いかにミュンシュがラヴェルの作品を愛していたかがよくわかる。

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2008年01月05日


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ラヴェルのオーケストラ特有の、水晶のような透明感と華麗な色彩とを見事に表出していて、まずその音作りのうまさに驚愕する。

また、どの曲も、あたかも新しい命を吹き込まれたかのように息づいていて、アバドの表現力の豊かさにも魅了される。

中でも「ボレロ」はテンポ設定もよく、演出が見事。各独奏者の腕も抜群で、惚れぼれするほどうまい。

この「ボレロ」の演奏で特筆すべきは、抑えに抑えていたものが最後になって爆発し、期せずして楽員から大きな叫び声が沸き上がったのがそのまま収録されていることだ。

「マ・メールロワ」も好演だ。

「ダフニスとクロエ」はさすがに立派な演奏だ。

演出が巧みで精妙を極めているし、加えてなんとラヴェル的なキラキラときらめくような音色だろう。

「海賊の踊り」のダイナミックな表現など実に見事だし、「日の出」の部分も旋律をたっぷり歌わせていて素晴らしい。

最後の「全員の踊り」はまさに熱狂の渦だ。

「高雅にして感傷的なワルツ」も、それぞれのワルツの性格を切れ味の良いタッチでくっきりと浮き彫りにしている。

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2008年01月04日


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フランス音楽に定評のあったモントゥー最晩年の貴重な遺産である。

モントゥーは「ダフニスとクロエ」を初演するなど、ラヴェルと親交が深くその演奏を得意としていた。

この演奏にはそうした彼の実力がいかんなく発揮されている。

柔らかい音色感は、生粋のフランス人でなければ表現できない。

どちらかというと、軽い、さわやかな響きをもったオーケストラから、こういう音を引き出したモントゥーの力は偉大である。

オーケストラを完全に自分の楽器にしているのだ。一体に淡白な表現だが、一つ一つの音に実に細かな神経を配っている。

演奏は輝きを抑えて、高雅な芳香がそっと漂うような「亡き王女のためのパヴァーヌ」など、大変美しく品格が高い。

特に「マ・メールロワ」が秀逸で、あたかも掌中の珠を慈しむかのように入念に練りあげながら、表情豊かに描きあげていて、実に見事な演奏だ。

これほど高雅な詩情にあふれた表現はめったにない。

人生のすべてを知りつくした老人が、童心に帰っておとぎの世界で遊んでいる、といった感じの演奏だ。

「ボレロ」もモントゥーらしい品格ある表現が魅力的で、噛んで含めるように一つ一つの繰り返しを丹念に磨きあげている。

「スペイン狂詩曲」には、もっと鮮やかな色彩と躍動があってもよいと思われるが、やはり静かに瞑想すべき味わいに富んでいる。

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2007年12月19日


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ショパンとドビュッシーの各作品集と共に、鬼才フランソワの貴重な遺産で、フランソワの天才的な音楽性とセンスが光る演奏である。

彼の録音では、調子の善し悪しに左右されて曲によって出来にムラがあることが否めない一方、他のピアニストには求められないファンタジーとイマジネーションが満ちあふれている。

個性的な閃きと怪奇性さえ帯びたピアニズムをもって、自由な飛翔を見せる彼の演奏は、ニュアンスが変幻自在で、聴いていて先の読めないスリルがある。

彼の個性はまさしく余人をもって代えがたい。

彼の弾くピアノの音はひとつひとつがちゃんと姿を持っていて、そうした音で綴られる音楽は、実に豊かなニュアンスにあふれている。

またラヴェルのピアノ曲の持つ色彩感が、柔軟なグラデーションによって実現されているのも見事だ。

フランソワのラヴェルには何ともいえぬ花がある。

例えば「高雅にして感傷的なワルツ」での、しなやかな肉体性を感じさせる演奏からたちのぼる豊かな香りはまさにラヴェルの魅力の神髄といっても過言ではない。

そして見事な色彩感もまた、特筆せねばならない。

その柔らかな音色には無限のグラデーションがある。

「水の戯れ」での湧き立つような響きは、オーケストラよりもデリケートな色彩を伝えており、水の流動性、幻想的な美しさを、奔放かつ魅力的に作り上げている。

また「夜のガスパール」のような非現実的な世界を、場面によってはデリケートに、あるいはディアボリックにと、多彩な変化を伴って描き出す。

「クープランの墓」での淡々とした表現に聴く小気味よいニュアンスからも、ラヴェルとフランソワの幸せな関係がたっぷりとうかがえる。

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Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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