ポリーニ

2008年12月15日


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ポリーニは、当盤に先立ち、ベームと第3〜5番、ヨッフムと第1,2番をウィーン・フィルと録音している。

今回はアバド指揮、ベルリン・フィルとの共演で、同じ曲をヨーロッパの2大オーケストラと録音できたとは、ポリーニも大したものだ。

ベームと共演したポリーニは、ベームのよきリードのせいかどうか、ベームの音楽の中にごく自然に融和していたような気がする。

しかし、同世代のアバドが指揮する当盤では、双方がそれぞれの主張を対等に繰り広げようとしたのではないか。

その結果、主役の2人が正面から渡り合う熱っぽい演奏が実現した。

ポリーニの気迫のこもった演奏で、タッチは明快で澄んだ響きを持ち、解釈は細心かつ充実を示し、細かい楽句でも1つ1つの音に美しい輝きを与えている。

アーティキュレーションは実に美しく、繊細な感覚と優美な抒情を溶け合わせて、ベートーヴェンの情感に迫っている。

しかも、あらゆるフレーズが隅々に至るまで強い緊張感に支配されていて、聴き手を刺激する。たまには、やすらぎがほしい気がするが…。

伴奏は、躍動感あふれる力強さと暖かさを兼ね備えたアバドの魅力が横溢した表現でソロをひきたてている。

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2008年11月08日


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ブラームスの「ピアノ協奏曲第2番」はピアニストにも、また指揮者とオーケストラにも、知・情・意・心・技・体のすべての充実を要求する難曲中の難曲である。

こうした要求のすべてを見事にこたえるのはポリーニ/アバド/ベルリン・フィルの演奏だ。

ポリーニの彫琢され尽くした美しい音と明快なフレージング。そして音楽への恐ろしいまでの集中から逆に生じる清冽な歌。

アバドの緻密で均整が取れ、しかも奥行きのある造形と、その中で節度をもって、だが清らかに高まる磨き抜かれた南欧的カンタービレ。

加えてベルリン・フィルの魅惑的な音色。

現代の音楽家たちによる現代の名演のうちでも屈指のものと言うべきである。

第1楽章からポリーニとアバドの激しいぶつかり合いが眼前に浮かぶほどの熱のこもった迫力のある演奏を展開している。

ポリーニのピアノは、超人的な力感のあとにすごいデリカシーが待ち受けており、曲想の対照が実に鮮やか。

アバドの指揮も見事で、スマートさを基本としながらも、濃密であり、ことに第2楽章の静と動の兼ね合い、静かな部分の弦の美しさは出色だ。

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2008年10月10日


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ポリーニのシューマン/ピアノ協奏曲は最も条件のそろった名演で、鮮明なタッチと曇りのない歌心の中から誠に美しい詩情と振幅の大きな表現を浮かび上がらせている。

完璧なテクニックをうならせた彼の演奏は、ゆるぎない造形的美観の把握や緊迫した集中力の持続が見事なだけでなく、美しいカンティレーナの魅力にも溢れており、そこではほとんど文句のつけようがない成果が実現されている。

全体にやや遅めのテンポで、ポリーニのタッチはいつものように透徹した響きを持ち、ひとつひとつのフレーズを明快に浮かび上がらせ、それでいてダイナミックスの幅は非常に広い。

解釈はアバドともども極めて知的で強靭な意志に貫かれている。

この曲があまりすぐれた演奏に恵まれないのは、ソリストと指揮者の協調がむずかしいためだろう。

ソロはいいけど指揮がもうひとつだったり、その逆も案外多い。

そうした中でアバドの指揮によるポリーニが傑出しているのは、アバドが作品を的確にとらえてソリストの個性に鋭く反応しているからで、ポリーニの輝かしい情熱と豊かな詩情を見事に生かしきっている。

シェーンベルクでのピアノは緊迫感を漂わせながらも決してナーヴァスにならず、アバドも自信に満ちた響きで一貫している。

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ポリーニ一流の鋭敏な感覚で、シューベルトの抒情を明晰に表現したもので、ポリーニの鋭い感性の光った、その音色の輝きと、精神的な充実ぶりに驚く。

造形もしっかりしており、いかにも現代的な演奏だ。

シューベルトの音楽としては、多少肌ざわりの冷たいところもあるが、いかにもポリーニらしい、研ぎ澄まされた音色で、音楽の内面に迫ろうとした演奏だ。

ことに第2楽章など、ほろりとするような巧みな表現で、"歌"にみちており、このあたり、やはりイタリア人ならでは、といった感じがする。

しなやかに歌われてゆくが、情に溺れることのない歌いぶりだ。

歯切れの良いリズム感が、この演奏を極めてモダンなものにしている。

このソナタ第16番を、これほど深々と掘り下げて弾ける人というのも、少ない。

シューマンのソナタ第1番はやや個性的な表情をもっているが、若いシューマンの情念といったものを、すぐれたテクニックと、透明感あふれる音色で表現した演奏である。

すっきりと澄んだ響きで、音楽の内面を極めて冷静に見つめ、ドラマティックな演奏を行っている。

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2008年10月09日


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「さすらい人」は堂々たる演奏で、これは磨き澄まされたピアノのソノリティの力で、曲想の奥深くへと鋭く踏み込んだような演奏内容だ。

テクニックの面でも演奏設計についても隙がなく、きわめて精巧に作られた完成度の高い演奏である。

1音1音研ぎ澄まされた透明感のある明るいトーンが、シャープな表情を生むと同時に、全体の響きを高らかで深いものにしている。

その迫力や細部の表情の冴えもさることながら、作品全体としての姿が、明快な解釈を伴って、堂々たる威容をもって現れているのである。

こうしたアプローチが可能なのは、ひとえにポリーニのピアニストとしての力量が並はずれてすぐれているからであることは、いうまでもあるまい。

素晴らしいのは第2楽章の主題と変奏。ここには実に初々しい抒情があり、ポリーニが胸を開いて語りかけてくるのが実感できる。それに弱音の美しさは抜群。

「幻想曲」も圧倒的。楽譜の要求しているすべての響きを徹底して追い求め、完璧に再現している。

雄大なスケールを持つが、それよりは精緻さのほうが強く印象に残る。

硬質の切り込みの鋭さと、冴えたクリアな感覚は、シューマネスクな世界とはちょっと違っても、完璧なピアニズムの輝きが素晴らしい。

清新な抒情とロマンティックなファンタジーが豊かに盛られているのも聴きもので、みずみずしい音色と卓抜なテクニックに支えられた見事な情感は、いかにも、クララへの慕情がこめられたこの作品にふさわしい。

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2008年06月26日


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シェーンベルクは、12音技法を完成させるためのさまざまな実験を、特にピアノ曲を使って行っている。したがって、彼のピアノ曲を通してみていっただけでも、彼の作風の多彩な変化を知ることができて面白い。

このディスクはポリーニ初のシェーンベルクで、シェーンベルク生誕百周年を記念して録音されたものである。

若々しい迫力と、カチッとした緊迫感をもったもので、全体にきりりと引き締まった、まことに切れ味のよい表現である。

無調性の世界に入ったシェーンベルクの妥協のない造形と、それが生み出す厳粛な緊迫感を、ポリーニが見事に再現している。

シェーンベルクの造形は、音量・音色・リズム・動機・声部進行などの点で、およそ考えうる限り緻密で論理的だ。

そこには一瞬のうちに燃えつき消え去る花火のような美しさがあり、ポリーニはそういう造形を情熱をもって再現している。

作品のもつ熱っぽい高まりと厳粛さを見事に表現した演奏だ。

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2008年05月01日


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ポリーニ初にして唯一のリスト・アルバムは、このピアニストの本領が十二分に発揮された圧倒的な名演である。

ポリーニはブレンデル同様、リストを名人芸や過大なロマンティシズムから解放したピアニストである。

演奏は、鍛え抜かれた音の構築物と呼ぶにふさわしい。

間然するところのないコントロールという点でクールな凄さをもっており、聴いていて苦しくなるほどに凝縮した音の世界をつくり出している。

ポリーニは虚飾を捨て、楽曲本体のみを見据えながら、明らかに熱いエネルギーを注いで演奏している。

余分な思い入れを一切入れない潔さで弾き通されたこのリストは、名演中の名演だ。

強靭で自在なテクニックと桁はずれの集中力をもってこの大作に臨んだポリーニは、凄まじい緊迫感やドラマティックな表情の起伏を実現させると同時に、すこぶるキメ細やかで精妙な表現力をも示し、最も理想に接近したこの作品の再現を可能たらしめている。

難曲中の難曲として知られるソナタだが、ポリーニは、その超凡な技に少しも角立てることがない。

むしろ、精妙な弱音での表現や音色の美しく多様な表現力が大変に雄弁に生かされており、それだけに演奏のしなやかな切れ味がいっそう印象に残る。

しかも、その透徹した表現は、常に美しくひき締まった緊張感をたたえており、深く澄んだ歌を秘めている。

スケールの大きさや豊かさは、単に超絶技巧と大音量からではなく、音色やタッチの精妙を極めた使い分けから生ずることを、この演奏ほど効果的に教えてくれるものはあるまい。

ポリーニの演奏は、前人未踏の境地に至ったリストの実像に迫るにはこれしかないことを教える説得力がある。

名手が全存在を賭けて世に問うた名演である。

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2008年04月25日


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みごとな出来ばえである。

さりげない弾き出しながらツボを押さえた「ダヴィッド同盟舞曲集」から、「暁の歌」までが全体として充足しきった情景をつくり出している。

ポリーニらしい完璧な演奏だ。

音の陰にある音までが鮮やかに浮かび上がり、リズミカルな躍動感を失うことなく爽やかに歌っている。

ポリーニの演奏の特色は表現の抒情性にある。

この抒情は透明で純粋、そして新鮮さにあふれたもので、このユニークな抒情によって19世紀のこれらの作品が新しい生命を得るのだ。

ほとんど演奏されることのなかったソナタ第3番ヘ短調(1836年初版)も、この抒情の徹底した表現でひきつける。

「クライスレリアーナ」でも、基本的には抒情性を重視する一方、シューマンのパッションを、リズミカルな動きと幅広いたっぷりとした響きによって鮮やかに映し出している。

シューマンの音楽と、ポリーニのラテン的で観照的な感性との絶妙な会話が演奏に独特の味わいを添えている。

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2008年04月24日


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ポリーニの以前のシューベルトは、まるで方眼紙に定規を使って製図し、それを完璧に実現したような凄味と若々しい覇気があり、それはそれで極めて魅力的で忘れ難い名演だった。

今回の演奏も基本的にアプローチの方法は変わらないが、彼の関心はよりシューベルトの音楽の内面の発見に強く向かっており、その意味で演奏に深みが増している。

ポリーニはドラマティックな表現と、心打つ優しい抒情的表現で、彼一流のバランス感覚の中に独特の調和を保ちながら、シューベルトの晩年の特異な音楽の世界を雄弁に伝えてくれる。

演奏はすべて自筆譜に従っており、ポリーニはシューベルト自身のペンそのものから、この作曲家の音楽に迫ろうとしている。

ここには作曲家晩年の、瞬時に移り変わる音楽の光と影がしっかり捉えられている。

ポリーニはロマン派の作品を、大作であれ小品であれ彼流に構成しないではおかない。

このシューベルトではその信念を貫き理念を実現しているがゆえに、迫力と魅力のある演奏になっている。

一際目立つのは、ノスタルジアを誘い出す《おおらかな》美しさで、第19番の第4楽章、第20番の第2,4楽章の魅力は何と表現したらよいのだろう。

以前のシューベルト録音と比べてもはっきりと変化と円熟が表れている。

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2008年04月21日


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ピアノがこれほどの幅広い表現力をもっていたのかと、驚かされる演奏である。

すこぶる激しく変化する曲想を、極めて冷静な目で捉え、知的に表現しているのが特徴だ。

この演奏が録音された1977年というと、ポリーニは積極的に現代作品を演奏会のプログラムのなかに取り入れ、実に鋭く研ぎ澄まされた感覚で、精度の高い演奏をおこなっていた。

ここでも、彼のピアノは強靭かつ繊細で、たいへん構築がしっかりしている。

第1番は、まさに《壮絶》ともいえる独特の熱気と迫力に溢れた演奏で、民族色を色濃く表出したオケをバックに、ポリーニの火を吐くような熱演が繰り広げられる。

そのテクニックの冴え、曲に対する切り込みの鋭さは他に類を見ない。

第2番も感動的な名演で、ポリーニの気迫がひしひしと感じられる。

ことに強烈なリズムで、ピアノを打楽器的に扱った第3楽章は圧倒的で、心・技ともに揃った秀演だ。

アバドの指揮も絶妙で、まことに緊張度が高く、バルトークの音楽特性を万全に表出している。

シカゴ響の洗練された響きは、他のオーケストラからは、なかなか求められない。

ピアノの音を鮮明に捉えた録音も光っている。

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2008年03月15日


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ポリーニとイタリアSQの初の共演盤で、ポリーニ唯一の室内楽曲録音である。

またヴィオラがファルッリからアッシオラに替ったイタリアSQの新メンバーによる初の録音であった。

生命力のみなぎった演奏だ。

もちろんそれはポリーニによるところが大きい。

ポリーニは冴えたタッチで鮮やかに演奏している。

この曲はピアノが協奏曲風重厚さを帯びてくるので、そういう場合のポリーニの歯切れの良いダイナミックな演奏は曲を一段と引き立てることになる。

ポリーニの、歯切れの良い、硬質な演奏が、この曲のもつ溌剌とした情感を十二分に表現している。

イタリアSQも、旋律をよく歌わせていて、素敵だ。

弦も安定した水準の高さを示していて、イタリア人らしく、明るい音色で歌っているが、ブラームスの熱気も着実に伝えてくれる。

ポリーニとイタリアSQが織り成す明快で引き締まった表現は、ドイツ的な演奏とは完全にその本質を異にするが、美しく張り詰めた魅力によって聴き手を魅了せずにはおかない。

透明に磨き上げられた名演であり、そのクリスタルな輝きもが異彩を放っている。

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2008年01月05日


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ポリーニは微妙に演奏スタイルに変化を見せており、以前に比べて表現の柔軟さが加わってきたようだ。

それはこのような作品を演奏したときにもっとも顕著で、この聴き慣れた名曲の随所において、絶妙なニュアンスがこまやかな陰影を形成している。

いつもの確固としたポリーニ流で、虚心に淡々とベートーヴェンの中期ソナタに向かっており、すべてが鋭利なアウトラインで、くっきりと表現しつくしている。

例によって思い入れをきっぱりと締め出した演奏だが、音楽に必要なだけの情緒性を濃い密度とともに湛えており、「月光」ではベートーヴェンの激しさ、純粋さとともに、魂の優しさといったのものを確かに味わうことができる。

例によって、ポリーニは奇をてらわず、ごく自然に演奏しているのだが、詩情のこもったピアノの響き、感情の大きな起伏、躍動するエネルギーにあふれている運動性、などが合体して魅力ある演奏を生み出している。

しかもその演奏は、ゆるぎない構成力の支配下に置かれているため、すこぶる安定している。

「田園」は作品のもつ清涼な世界をクローズ・アップして、曖昧さを一切残さない演奏だ。

ポリーニの構成感の確かさと豊かなファンタジーを湛えた表現は、理想的な演奏といえよう。

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2008年01月04日


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いつもながらの完璧さを誇る名演であることはいうまでもないが、ポリーニの演奏がかなり柔軟性を帯びてきたことも、ここでははっきり確認できる。

つまり、はがねのようなテクニックで信じ難いほどの見事さで作品を顕在化させた演奏から、より豊かなニュアンスを含んだ、いわばアナログ的な表現への変化である。

もちろんこれは、彼のピアニストとしての成熟を好ましい方向で示すもので、決して演奏に恣意的要素が増したということではない。

「テンペスト」はピアノの音と形式の美しさにおいて完璧。独特の輝かしい音色とタッチで凄味さえ感じさせる演奏である。

「ワルトシュタイン」はいわば強靭な理性の力が情念の昂ぶりを制御し、一分の隙もない完璧な造形によってこの曲の規範となるべき姿を提示する。

3楽章を通して張り詰めたような緊迫感に貫かれており、1音1音がただならぬ力強さだ。

聴く者を思わず身構えさせてしまうような性格の演奏内容といえよう。

「告別」も最近ポリーニが変わったといわれる指摘を裏書きしているといってよいだろう。

完璧な技と音の間からこれまで以上に柔軟で、深く澄んだ歌が生まれている。

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ポリーニのベートーヴェン/後期ピアノ・ソナタ集はグラモフォン・レコード賞、ドイツ・レコード賞など多くの賞を受けた名盤。

5曲中「ハンマー・クラヴィーア」が、ポリーニの持ち味を最高度に発揮した、忘れることのできない熱演。

このソナタの雄渾な性格を失うことなく、しかもあらゆる音を細密画のごとく丹念に弾きわけるのは極めて難しい。

しかし、ポリーニは苦もなくそれを実現してしまう。

彼のスケールの大きさが実感されると同時に、構成家としての一面がくっきり浮かびあがり、鮮烈な印象を与える演奏だ。

他の曲も大ピアニストが晩年に至って取り組んで初めてベートーヴェンの晩年の精神を浮き彫りにできるものなのだが、ポリーニは若くして非凡な技巧を駆使して精神的な表現をなしえているのが驚異的である。

ポリーニは第30番で、部分それぞれの変化を的確に弾き表わし、強靭に突き進み、自由自在に感興を紡いで、感嘆させる解釈を聴かせる。

第31番の演奏では、理知性と引き締まり研ぎ澄まされた造形の確かさに打たれる。彼の弾く現代作品とも共通する潔さである。

第32番でも鋭い切り口、つねに潜在的に蓄えられた力の威力、そして音楽を勿体振って演じらない尖鋭さがポリーニの身上。

身じろぎもしない落ち着きの中で歌われ発展する緩徐楽章も圧巻である。

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2007年12月23日


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1990年に録音された「4つのスケルツォ」「子守歌」「舟歌」は1984年のピアノソナタ以来のポリーニのショパンで、いずれもこれが初録音。

強靭にして精緻、豊潤にして繊細、これほど完璧なピアノ演奏は他にない。

「スケルツォ」での和音はときに豊麗、ときに峻烈、しかも音色が清冽で、十分に温かさのこもった響きを発する。

思いの丈をありのままにぶつけた、そんな凄まじい演奏である。

たんなる激情、たんなる豪壮、たんなる華麗をはるかに超えた次元で、言うなればポリーニの魂の絶叫に触れることができる。

絶叫といっても、野卑で非音楽的な音が使われているわけではない。

音楽として許される範囲の音を駆使してのそれ。凄絶感が増すわけである。

4曲中もっともよく知られている第2番の高揚感、わけても爆発的なコーダの高揚感は、なんとも衝撃的で、強烈な緊張から不意に解放されてほっとする安堵感は、筆者に関する限り、どのピアニストよりも大であった。

「子守歌」にちりばめられたタッチの濃淡、極めて微妙なテンポの揺れも《生きたものの声》だけが持つ真実の感興を聴き手に滲みわたらせ、「舟歌」の控え目な表現の内に追想の詩を鮮やかに浮かび上げるところなど、すでに達人の至芸である。

ポリーニの非凡な才能を、改めて思い知らされてくれる1枚であろう。

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「ピアノソナタ第2&3番」はポロネーズ以来、実に9年ぶり(1984年)のポリーニのショパン。

ポリーニならではの鋭い感性が、全体に冴えわたった演奏で、シャープに切り込んでいる表現が魅力だ。

ポリーニの歯切れの良い音と、磨き抜かれたテクニックで作り上げられていくショパンは、情緒的、装飾的といった風でなく、深い構造性を感じさせる大変聴き応えのある演奏である。

ソナタ第2番は、アルゲリッチとは対照的に、きわめて醒めた目で楽曲の構造を見つめており、どのような激しい部分でも奔放にならず、手綱をしっかりと引き締めている。

ソナタ第3番でもポリーニは一点一画をもおろそかにせず、音楽の内面に鋭く切り込んだ表現で、深々とした音楽をつくりあげている。

これほど厳しく、しかもゆるぎない造型をもった演奏というのも珍しい。

従来のポリーニの演奏を支えていた《挑戦》という意識は、このショパンを聴くと、それほど意識されなくなったのではないかと思える。

相変わらずシャープでゆるぎない演奏だが、内面的な作品との対決の深まりを感じる。

第2、3番とも、表現はかなり地味であり、従来の強引さはまったくない。

一方第2番の第4楽章や第3番の第2楽章スケルツォ部分では、その磨き抜かれた技巧を聴かせてくれる。

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第1番から第7番までの7曲を収めたディスクである。

「ポロネーズ集」の演奏でまず気が付くのは、どんなに細かい部分も完全に再現せずにはおかない高度なテクニックである。

それは単に指の運動が正確無比であるという点にとどまらない。

音質や音色が充分に吟味され、その結果、硬い輝かしい音が創り出される。

ポリーニの場合、フォルテを鳴らしきって音が濁らず、息切れもせず、強弱のどの段階でも音色が美しいことは特筆すべきだろう。

いかにもこのピアニストらしく、卓越したテクニックに支えられた切れ味の良い演奏で、実にダイナミックで緊迫感に満ちたポロネーズである。

各曲の構成的な美しさを直截に弾きあげた演奏で、すこぶる研ぎ澄まされたテクニックで情熱的にまとめている。

ソフトな音色のアシュケナージとは対照的に、シャープでやや冷たい肌ざわりの演奏だが、そのダイナミックな表現にはひかれる。

収録された7曲のうち、ことに技巧的に華やかな曲が立派で、第3番「軍隊」、第6番「英雄」などの解放的で明快な性格の作品では、ポリーニの力はフルに発揮されており、緩急の起伏を巧みにつけながら、劇的に表現していて聴かせる。

彼の器の大きさが顔をみせている演奏である。

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白熱的な緊迫感や自在で力強いテクニックの冴えが光るポリーニ盤は、圧倒的な説得力をもって聴き手に迫る熱っぽい快演である。

このCDの最大の特色は、ポリーニの洗練された剛直な表現の楽しみにある。

「24の前奏曲」がこれほどまでにエネルギーを内在した作品として現前することは、きわめて稀だ。

全体にしっかりとした芯の強い演奏で、ショパンの音楽のもつ柔らかなロマンティシズムよりも、劇的で強靭な面に光をあてている。

完璧なまでのテクニックと研ぎ澄まされた美しい音、そしていささかクールと言える感性によって、見事なまでに客観的に弾き上げられたポリーニの演奏は、1曲1曲がそれぞれにふさわしい洗練された表情を持つと同時に、全曲としてのまとまりをも獲得している。

甘美な詩情にはやや不足気味とは言え、背筋をゾクッとさせるほどの凄い表現は、他者を寄せつけない。

正確無比のテクニックで、各曲を一分の隙もなく整然と描き分けているが、ことに暗いロマン性をもった曲は抜群で、第18番や第20番は逸品だ。

ショパンは第12番嬰ト短調、第14番変ホ短調、第16番変ロ短調、第18番ヘ短調、第20番ハ短調などの短調の中に屈折した情熱をみなぎらせているが、ポリーニはそれを全24曲の核心としてとらえ、多彩な表現の全貌を明らかにした。

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ポリーニのDGへの最初のショパン・アルバムで、素晴らしい名演である。

音楽性の豊かなこと、様式観の確かなこと、技巧の見事なことなど、ピアニストとして身につけるべきことをポリーニは全てもっている。

ここにはショパンが考えた限りの技巧が生かされている。

ポリーニはこれらを明るく透明で、やや冷たい音色で鮮やかに弾ききり、少しも脆弱なところがない。

イン・テンポでありながら、あふれるような青春のロマンティシズムが渦巻いているのだ。

この72年に録音されたショパンの「練習曲集」は、彼の超人的な技巧を明白なものとした。

私はこのCDを聴くたびに、ピアノがひとつの「機械」であったことをあらためて想ってしまう。

硬質で研ぎ澄まされた音の微粒子のひとつひとつが鉄のハンマーから叩き出されていることを。

それでいてこのエレマンたちは「革命」におけるような熱情に満ちたショパンの音の星座をゆたかに練り上げてみせるのだ。

数百年の平和の中で、「鳩時計」しか生み出せなかったスイスとは全く対遮的な、あのマキャベリの、そしてまたチェーザレ・ボルジアの国のピアニストは「冷徹なラテン趣味」とも言うべき、まばゆいばかりの音のマトリスを提出している。

ラテン的感性と分析的知性の融合という意味では、前記したストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」についても同じことが言えるだろう。

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「10年の沈黙」を破って現れた、この演奏におけるポリーニを愛するひとは多い。

「ペトルーシュカ」は、どの部分にもカンタービレが息づき、音楽がしなやかに流動する。

バレエ音楽が持っているダイナミズムが、その変化の目まぐるしさとともに一片の狂いもなく構築されている。

プロコフィエフも、鮮やかなリズムと、深い澄み切ったソノリティが異色。

ブーレーズの「ソナタ第2番」は、誰がどう考えてもポリーニのために書かれたとしか思えない、まさに彼にうってつけのソナタ。

そこでは音楽史の分析と解体そのもののような作品と、ピアノという技術的手段の間での純粋な干渉状態が体現される。

まさにポリーニのレクチュールとブーレーズのエクリチュールが完璧な一致を見せており、ヴェーベルンも見事の一語につきる。

まさにポリーニの卓越した感受性と技巧が生み出した、忘れ難い名演だ。

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1960年第6回ショパン国際音楽コンクールで、18歳のマウリツィオ・ポリーニは優勝した。

この優勝がいかにセンセーショナルなものであったかは、この時の審査員が全員一致でポリーニを推していたことからも窺える。

審査委員長だったルービンシュタインにいたっては、「われわれ審査員の内で、彼ほど上手く弾ける者がいるだろうか」と洩らしたという。

ポリーニの今日にいたる「伝説」はこの時から始まったと言っても良い。

ピアノをちょっとでも弾いたことのある者だったら、その超人的なテクニックの冴えを耳にして、溜め息のひとつもつきたくなってしまうだろうし、まるでピアノを弄したことのない者にしたところで、自分の指が一体何のためにひっついているのかしばし考えこんでしまうくらいのことがあったとしても不思議ではない。

だが、それほど物凄いテクニックを持っていた若きポリーニは演奏界から突然姿を消してしまう。

ほぼ10年間ほどの間、彼は本格的な音楽活動の一線からは退いてしまうのだ。

手をこまねいていたわけでは決してなく、ミケランジェリやルービンシュタインに師事し、あらためて勉強し直していたのだ。

この10年間の間にポリーニは演奏技術の研鑽に努めたばかりではなく、指揮を学び、また哲学を学んだ。

彼が再び天才の名をほしいままにするのは70年代に入ってからのことである。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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