メンデルスゾーン

2008年11月04日


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1971〜72年に録音されたカラヤン唯一のメンデルスゾーン/交響曲全集。

カラヤンの演奏は、メンデルスゾーンの作品に共存する古典主義的理念よりも、ロマン的な情感の方に傾いているように思える。

彼はベルリン・フィルから、ふくよかでつややかなほとんど類例のない響きを作り出し、感覚的にも驚くべき洗練を感じさせる。

感傷的・抒情的な一面がカラヤンの個性でおおわれて、優美な装いで表されたメンデルスゾーンといえよう。

特に「スコットランド」は魅力的な演奏の多い曲で選ぶのに困るが、結局最後にものを言うのはオーケストラの力量のように思われる。

カラヤン盤はオーケストラの技量と響き、そして指揮者の作り出す造形感の両面で最高の仕上がりとなっている。

メンデルスゾーンが彼に合っているかどうかは別として、ここでのドラマは見事というほかない。

そしてカラヤンは、ベルリン・フィルからいつになく抑えた端正な響きを引き出し、折り目正しい造形感と流麗なロマンティシズムをバランス良くミックスした卓越した演奏になっている。

「スコットランド」の第1楽章のしなやかな旋律の歌わせ方と、第4楽章のコーダでの高揚感は他を寄せ付けない。

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2008年09月16日


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録音は古いが、モノーラル時代の屈指の名盤である。

トスカニーニはメンデルスゾーンで素晴らしい演奏を聴かせていたが、この「イタリア」はその最たるものである。

この曲の明澄爽快な気分を、これほどまでにストレートに表出した演奏というのも珍しい。

旋律の歌わせ方も巧妙だし、リズムも生き生きと踊っている。

灼熱する音と躍動する表情、輝かしい歌の美しさは、明るい南欧の風物に瞠目した作曲者の感動をそのまま伝えてくるようだ。

古典的形式をくっきりと保ちながら、優雅なリリシズムや、またスケルツォ的性格を、すっきりした線やリズムでなんの付加物もなく、すぱっと現わした行き方は、「イタリア」の特徴をすべて尽くしたものである。

一方「宗教改革」も圧倒的名演で、その明晰さ、しなやかな流動感、立体的な構築は、この作品の求めるすべてを具現している。

トスカニーニが、メンデルスゾーンの交響曲の中で、最も高く評価していたのがこの曲である。

それだけに、この曲の、ロマン派初期の若々しさにあふれた表情を美しく表現しており、構成もがっちりとしていて秀演だ。

荘重な趣きを力強く表現して、宗教的素材をもって壮麗な記念祭の歓喜を示した立派な演奏である。

それにしても、本盤のようなXRCDによる極上の高音質録音で聴くと、トスカニーニが臨機応変にテンポ設定を行ったり、豊かな情感にもいささかも不足をしていないことがよくわかる。

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2008年03月11日


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マークはこの録音によって名高い指揮者で、《スコットランド》といえば、マークの名が出るほど、昔からこの曲を得意にしていた指揮者である。

《スコットランド》の名盤というに留まらず、レコード史上に燦然と輝く金字塔である。

録音がやや色褪せているのが残念だが、演奏は大変素晴らしく、とりわけ弦楽器の響きが繊細で艶があり、細部の表情も丁寧に行き届いていて美しい。

《スコットランド》は冒頭の序奏からしっとりとした風情があり、細やかな表情の間から漂う哀愁が心を打つ。

主部に入るとさらに堂々とした力強さが加わって、この曲のロマン主義的魅力を余すところなく伝えている。

全体にゆったりとしたテンポで、深々と旋律をうたわせており、作品のもつ幻想的で哀愁にみちた味を、ごく自然に表出しているところにひかれる。

マークとロンドン響の《スコットランド》が優れているのは、聴く人の胸に初恋のときめきに似た甘く切ない心を呼び起こすところにある。

これは、テンポがどうだとか、どこにアクセントがあるとか分析しても始まらない。

マークの純粋な感性が、メンデルスゾーンの魂の波動と重なり合って、奇跡のときを生んでいる。それをともに体験するだけだ。

「真夏の夜の夢」は繊細な中にもメリハリの効いた秀演である。

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2007年12月26日


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「真夏の夜の夢」は、クレンペラーの演奏の中でも最もすぐれたものだろう。

すぐれたメンデルスゾーン演奏は、大きくいって2種類に分類される。

その1つは、典型的なロマン派の音楽として、優美な形で、ややビーダーマイアーふうに。

そしてもう1つは、独自の幻想性を深く内向させた、その彼方にはたとえばマーラーの音楽さえ予感させるような拡大された解釈である。

ここに聴くクレンペラー指揮による「真夏の夜の夢」は、その後者に属するものといえよう。

というか、後者の代表的な存在である。

ここに聴く演奏はたいそうロマン的情感が豊かだが、それは根っこの浅い抒情的なものであったり、育ちのよいプチブルふうのものでもない。

深く、大きな幻想のたゆたいが、強靭な存在感をもって底通している説得力ある演奏内容である。

クレンペラーはここでも悠然たるテンポで、曲のすみずみにまで神経を通わせ、重厚かつ緻密に仕上げており、なによりも音楽的な充実感が最高だ。

さわやかさにはいくぶん欠けるが、音色がまことにみずみずしい。

彼はあくまでも正攻法で運びながら、全編を詩情豊かにまとめている。

幻想的な世界を描きあげた「序曲」や、ロマンティックな気分にあふれた「夜想曲」など、老練なこの指揮者ならではの味だ。

ことに見事なのが「妖精の歌」と「間奏曲」で、ふつう速いテンポであっさり通りすぎてしまう両曲を、ゆっくり愛情こめて演奏し、この曲のロマンティックなメロディーを心ゆくまで堪能させてくれるのである。

ハーパーとベイカーもぴったりと息の合った歌唱ぶりで、合唱とともにこの名演に花をそえている。

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2007年12月24日


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クレンペラーとメンデルスゾーン、何とも不思議な組み合わせである。

メンデルスゾーンという作曲家を"風景画家"と形容するのは、わかりやすいという利点はあるかもしれないけれど、一方で、かなり矮小化してしまいかねないような危険性をはらんでいる。

その間の事情を詳らかにしてくれる代表的なもののひとつに、このクレンペラー盤がある。

ここに聴くメンデルスゾーンは、決してモノゴトの表面にだけ心を動かされているマイナー・ポエットのような存在ではない。

ときに深い洞察力を持った心理学者であり、激しく鏨をふるう彫刻家であり、創造の世界に遊ぶ冒険家でもある。

水彩画のようなメンデルスゾーンの音楽ももちろん綺麗ではあるけれど、やはりこうしたアプローチのほうが、より味わい深い。

まず「スコットランド」が名演である。

クレンペラーは特別にこの曲を愛しており、ゆっくりとしたテンポでメロディーを情緒的にうたい、細部の楽器の音色をいかにも美しく表出する。

クレンペラー独特のゆとりのある遅いテンポで悠揚と進行する音楽は、ほの暗い曲趣を明確に表しながら、その中にクレンペラーという巨人的指揮者の存在を印象づける。

しかも、メンデルスゾーンの創作の根底にある古典主義的格調が期せずして表わされている。

聴衆におもねるところの毛頭ない孤高の芸術といっていいだろう。

「イタリア」も個性的。ただ、かなり重い演奏である。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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